党の「一枚看板」不在、国民民主に打撃…玉木氏役職停止で発信力低下に懸念「とにかく今は耐え忍ぶしかない」(2024年12月5日『読売新聞』)

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 国民民主党は4日、不倫が報じられた玉木代表を3か月の役職停止処分としたことで問題の幕引きを図った。党の「一枚看板」である玉木氏の不在は影響が大きいとみられ、発信力の低下などが危ぶまれている。
 玉木氏は処分を決定した4日の両院議員総会で、出席議員を前に「一兵卒として党勢拡大に取り組む。初当選した時や、結党したときの初心に立ち返って頑張る」と謝罪した。
 処分を検討してきた党倫理委員会は、玉木氏の女性問題について「重大な注意義務違反」と指摘し、「党の名誉並びに信頼を傷つけた」と結論づけた。代表の職務には、古川元久代表代行が当たる予定だ。
 玉木氏は、SNSや動画配信を駆使した高い発信力を武器に党の支持拡大を進め、10月の衆院選で党躍進の原動力となったが、今後は定例の記者会見を開けず、「党の顔」として動くことができない。
 玉木氏のテレビ番組出演なども制限され、党の政策をアピールする機会が大幅に減るため、発信力は大きく低下する見通しだ。来夏の参院選などに向けた候補者の擁立作業にも影響が出そうだ。
 同党が掲げる「年収103万円の壁」見直しに向けた与党との政策協議も玉木氏が事実上、議論を主導してきた経緯がある。党内からは「与党ペースに持ちこまれかねない」(中堅)と懸念する声も出ている。
 党内には玉木氏に代わる人材が見当たらず、不祥事を受けても辞任を求める声は党内から上がっていない。若手議員は「とにかく今は耐え忍ぶしかない」と語った。

国民民主党・玉木代表、不倫問題で3か月間の役職停止処分…期間中は古川代表代行が職務代行(2024年12月4日『読売新聞』)
 
 国民民主党は4日午後の両院議員総会で、知人女性との不倫関係を報じられた玉木代表に対し、3月3日まで3か月間の役職停止処分を科すことを決めた。
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国民民主党両院議員総会で発言する玉木代表(4日、国会内で)=川口正峰撮影
 玉木氏は不倫について事実関係をおおむね認めており、国民民主の倫理委員会が党の品位を汚す行為に当たるかどうかなどについて、調査を行っていた。
 玉木氏は代表ポストからは退かず、役職停止期間中、代表の職務は古川元久代表代行に委ねる。榛葉幹事長は記者会見で、玉木氏は3月4日に代表の職務に復帰するとの見通しを示した。
 玉木氏は両院議員総会後、記者団の取材に応じ、「全国の仲間、選挙で期待を寄せていただいた皆さんにおわび申し上げたい」と陳謝した。
 国民民主の倫理規則は処分について、〈1〉注意〈2〉厳重注意〈3〉党の役職の一定期間内の停止・解任〈4〉公認・推薦等の取り消し〈5〉辞任勧告――を定めている。