流行語大賞「界隈」もトップテン入り 普及貢献と毎日新聞が受賞(2024年12月2日『毎日新聞』)

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「界隈」が受賞語に選ばれ、表彰される毎日新聞社デジタル報道グループの稲垣衆史記者=東京都千代田区で2024年12月2日午後2時12分、幾島健太郎撮影
 今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンが2日、発表された。「界隈(かいわい)」もトップテン入りし、もともと広がりつつあった言葉を報道によってさらに普及させたとして、毎日新聞デジタル報道グループが受賞した。
 毎日新聞は2024年5月初旬、風呂に入ることを面倒に感じてやめる人々を指す「風呂キャンセル界隈」という言葉がX(ツイッター)で一時トレンド入りするなど、ネット交流サービス(SNS)で広まっていることを報じる記事を配信した。
「界隈」派生語も広がる
 「界隈」はもともと、「そのあたり一帯」を示す言葉だった。
 それがSNSを中心に、特定の「仲間」や「近い存在」といった意味でも使われるようになった。
 配信後、インターネット上で「界隈」の検索が増えたとみられる。「睡眠キャンセル界隈」などの派生語も登場した。
 取材、執筆した稲垣衆史記者は表彰式で「『界隈』という言葉は同じ趣向の人の集まりということで共感を得やすいのかなと思った」と話した。
 一方で、風呂キャンセル界隈を報じた記事では、うつ病などやむをえない事情で入浴できない人から困惑の声が上がっていることを伝えており、稲垣記者は「使う場合は注意が必要だと感じました」と振り返った。
 LINEヤフーは10月、「Yahoo!検索」のビッグデータから、「界隈」を含むキーワードを検索している人数を調査した結果を公表。24年5月に「界隈」を含む検索人数が大きく伸び、23年10月の2倍以上となった。中でも最も多かったのが「風呂キャンセル界隈」だった。24年10月時点では「界隈」の検索人数は過去最高になったという。【岡田英】

新語・流行語大賞」のトップテン(50音順)
 
▼「裏金問題」
▼「界隈」
▼「初老ジャパン」
▼「新紙幣」
▼「50-50」
▼「ふてほど」(年間大賞)
▼「Bling-Bang-Bang-Born」
▼「ホワイト案件」
▼「名言が残せなかった」
▼「もうええでしょう」

新語・流行語大賞の会場に”来られなかった”理由に…ネット衝撃「午前中、斎藤知事を刑事告発したので」『裏金問題』で受賞の上脇博之教授(2024年12月2日『中日スポーツ』)
 
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上脇博之氏
 今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」が2日に発表され、政治絡みでは唯一、「裏金問題」が選ばれたが、受賞者がオンラインで出席した理由がネット上で話題となった。
 総選挙で自民党過半数を割り込んだ一因となった「裏金問題」は、神戸学院大法学部の上脇博之教授が市民オンブズマンとして、自民党5派閥のパーティー収入過少申告を刑事告発したことがきっかけ。この日、東京都内で行われた発表・表彰式に招かれながら、オンラインで出席した上脇教授は「午前中は斎藤さんという兵庫県知事を刑事告発したので、その記者会見もありましたので、そちらにうかがうことができませんでした」と発言。兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事の陣営のSNS運用を巡り、公選法違反の疑いがあるとして神戸地検などに刑事告発したことも説明した。
 これにX(旧ツイッター)ではすぐさま反応。「流行語大賞は『上脇博之教授が告発状を提出』だと思う。ひろゆきじゃないよ、ひろしだよ」「上脇告発のプロで草」などのコメントが並んだ。