衆院選で運動員に報酬を支払う約束をしたとして、東京26区から無所属で出馬した医師田淵正文容疑者(66)=落選=らが逮捕された事件で、同容疑者が選挙運動最終日の夜、運動員らに対し、陣営メンバーとして参加していたLINEグループから退出するよう指示していたことが1日、関係者への取材で分かった。
「選挙違反の問題がある」と運動員らに伝えていたことも判明。警視庁捜査2課は、同容疑者らが違法性を認識し、証拠隠滅を図った疑いがあるとみて、経緯を詳しく調べているもようだ。
関係者によると、LINEグループには陣営の運動員ら約30人のうち、約20人が参加していた。田淵容疑者は選挙運動最終日の10月26日夜、自身が経営する病院に集まった選挙スタッフ取りまとめ役小林繁容疑者(37)や運動員十数人を前に、選挙戦での貢献にねぎらいの言葉を述べ、LINEグループから退出するよう指示した。
田淵容疑者はその際、「これから選挙違反があるかどうか調べられる」と発言。その上で「皆さん心してやってください」と念を押したという。
田淵、小林両容疑者は10月上旬、20~30代の会社員や大学生ら4人に選挙運動の報酬として時給1500円の支払いを約束したとして、11月30日に公選法違反容疑で逮捕された。