折田楓氏と斎藤元彦知事(折田氏のInstagramより)
ここ数日、世間を騒がせている、斎藤元彦氏の兵庫県知事選における騒動。11月20日、選挙広報担当を名乗るPR会社の社長が、メディアプラットフォーム「note」に「兵庫県知事選における戦略的広報」なる記事を投稿し、物議を醸している。
「投稿したのは、兵庫県・西宮市にあるPR会社『merchu』の代表取締役である折田楓という女性です。折田氏は、今回の知事選において、SNS発信やチラシ、政策パンフレットや選挙公報について、PR専門家としてさまざまなアドバイスを選挙前から与えていたとつづりました。
記事のなかで、折田氏が斎藤知事にSNS戦略をプレゼンしている風景や、プロフィール写真やコピー・メインビジュアルの刷新、応援用のSNSアカウントの作成など、広報の過程を事細かに公開しています。しかし、noteの公開後、『公職選挙法違反ではないか』というツッコミが殺到しているんです。
実際、告示前に投票を求めるような行動は事前運動とされ、公職選挙法で禁止されています。また、告示後に外部業者に委託する選挙活動は、厳しく法律で定められており、仮に多額の報酬を支払っている場合、これも公職選挙法に抵触する可能性があります」(政治担当記者)
折田氏がXにて20日におこなった投稿には、現在2900件以上の批判的なリプライがついており、大炎上中だ。火消しのためか、折田氏はnoteの内容を一部削除し、会社のHPに掲載されていた取引先や実績も削除し、対応に追われている様子がうかがえる。
事態をうけ、斎藤知事は、22日、関西テレビの取材に対し、「法に抵触する事実はない」とコメント。代理人弁護士は「SNS戦略の企画立案などについて依頼をしたというのは事実ではありません。あくまでポスター制作等法で認められたものであり相当な対価をお支払いしております。公職選挙法に抵触する事実はございません」とコメントしている。
だが、折田氏のnoteに記載された内容から、「ポスター制作等」という言葉が妥当なのかどうか、各所で異論が噴出している状況だ。
そんななか、注目を集めているのが、折田氏のnoteから削除された文章だ。斎藤氏がmerchuのオフィスに現れた、広報全般を任された、といった記述が見て取れる。
《とある日、株式会社merchuのオフィスに現れたのは、斎藤元彦さん。それが全ての始まりでした。》
《ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました。》
また、Xで呆れ声が多く集まったのが、修正前の最後の一文だった。
《ドラマチックすぎる出来事でしたので、いつか映画化されないかななんて思っています!笑》
いま見れば、あまりにお気楽すぎる一文だ。実際、折田氏が引き起こした騒動を含めれば、一本の映画にはなりそうだが……。Xでは、折田氏に対する厳しい反応が後を絶たない。
《さすがに痛すぎるなー ただでさえ痛いうえにさらにコレて 映画化て笑自分でそれ言う?笑まさに承認欲求モンスター》
《たしかに「ドラマチックすぎる結末」で、本人の意図とは真逆のシナリオで映画化されそう 笑》
《書き換えがドラマチックで感動した 元の文章がヤバすぎる》
斎藤氏、当選直後 “どや顔” で支持者をチラリ
当選直後の斎藤氏(写真・馬詰雅浩)
波瀾の展開となった兵庫県知事選。前尼崎市長の稲村和美氏が優勢とみられていたが、終盤にかけて、SNSなどで支援された前知事の斎藤元彦氏が巻き返した。結果、斎藤氏が111万3911票を得て逆転当選、19日には当選後に初登庁して、当選証書を受け取った。
知事の「パワハラ」「おねだり」報道が問題視され、8月30日と9月6日には議会の「調査特別委員会(百条委員会)」に斎藤知事が出席して弁明。9月19日には、県議会で不信任決議案が全会一致で可決され、出直し知事選となり、全国の耳目を集めた。
当選が確定すると、斎藤知事は「ひとりひとりの県民のみなさんが判断していただいた。県民のみなさん、ひとりひとりの勝利だ」と殊勝に頭を下げたが……。投票翌日、18日の記者会見では「傲慢」とも取れる発言をして、“反斎藤派”の県職員を牽制した。
「記者から、県職員に伝えたいことを聞かれた斎藤氏は『民意を得て、再び兵庫県知事選挙で知事として就任させていただきます』『職員のみなさんは、やはり知事部局として一緒にやっていくっていうことが、地方公務員としての責務』と答えたのですが、これに多くの職員が驚いたそうです。
知事の行状を県の公益通報窓口に通報した当時の県民局長は、停職3カ月の懲戒処分を受け、その後、亡くなっています。こうした経緯もあり、斎藤知事と職員との信頼関係は崩壊しています。その状況で『一緒にやっていくのが公務員の責務』と説く姿を、『異を唱えることは許さない』という宣言と受け取った人も少なくありません。こうした斎藤氏の“上から目線”発言に、不快感を覚える職員が多いのも無理はありません」(政治担当記者)
さらに斎藤氏は「選挙では、告発文書をめぐる問題も争点になったが、(今後は)どのような政策を進めていくかが大事だ」と、県政不信を招いた一連の騒動を「過去のこと」とするような発言もしていた。
「知事選で止まっていた百条委員会も再開して、11月25日には斎藤氏も出席して尋問を受けます。しかし、委員のひとりである竹内英明県議が、議長に辞職願を提出して受理されました。理由は『一身上の都合』ですが、SNSなどで、自身や家族に危険が及ぶような書き込みがあり、不安を感じたということです。
そのため『SNS炎上を心配して、委員の質問もトーンダウンするのではないか』といった声が県議の間で囁かれています」(同前)
この斎藤氏の発言を“パワハラ体質”と見る人も多い。Xには、斎藤氏の今後の行動を危惧するコメントが投稿されていた。
《他の人が言うと当たり前のことばだが、斎藤知事が言うと脅しに聞こえてしまう職員もいるだろう》
《また同じ騒動が起きるのでは?と思ってしまう…》
《初っ端から立場を利用して職員に圧力をかけてる。怖いわ。》
斎藤知事の任期は4年。県民のために尽くしてほしい。
( SmartFLASH )