兵庫県知事選挙で再選を果たし、斎藤元彦知事が2期目をスタートさせました。
斎藤氏は元大阪府の課長 吉村知事と距離近く…
2人のこれまでとこれから
斎藤氏はもともと大阪府の財政課長でした。当時から吉村氏に目をかけられていて、特に悪評はなく優秀な職員という評価でした。
そうした経緯から、維新は兵庫県知事選に立候補した斎藤氏を推薦し、自民党も半分が斎藤氏を推しました。その後の3年間の吉村氏と斎藤氏は蜜月関係で、大阪府知事と兵庫県知事がイベントなどで同席する機会も多くありました。
また、斎藤氏の政策は維新による大阪府政と近く、県立大学の無償化や県庁舎の建て替えの凍結などがそれにあたります。自民党からすると、我々も応援したのに斎藤知事はどんどん維新の方向へ向かっていくという意識がありました。
斎藤知事への厳しい声も
今年になり、内部告発文書問題が取りざたされるようになりました。
しかし、8月末から9月にかけて態度が変わっていきます。斎藤知事への風当たりが厳しくなるにつれて、維新への風当たりも厳しくなっていました。
8月25日の箕輪市長選で維新は、地盤である大阪府内の現職の市長として初めて落選者を出しました。
この選挙結果に維新は危機感をもち方向性を変え、9月には自民・公明・共産・ひょうご県民連合の各会派とともに兵庫県議会で斎藤知事への不信任を突きつけ、全会一致での可決に至りました。
兵庫県知事選で斎藤氏再選 維新との連携には「けじめ」が必要?
落選した清水貴之氏
しかし清水氏はより幅広く支持を集めようと維新を離党し、無所属で出馬します。
これで、維新は清水氏を応援する必要がなくなり、維新の議員のかなりの数が斎藤氏の支援に回りました。
投票結果でも、維新支持者の過半数は斎藤氏に投票したというデータがあります。
再選後初めて対外公務に出席した斎藤知事
斎藤知事の再選を受け吉村氏は「リスペクトして連携したい」としています。
吉村氏から斎藤知事へ「脱帽です。おめでとうございます」とメールを送り、斎藤知事からは翌日に「ありがとうございます。また一緒に頑張っていきましょう」と返信があったということです。
吉村氏が歩み寄る姿勢もみせ、”和解”が成立したといえます。
「兵庫維新の会」の会合に出席する吉村氏
維新と斎藤知事は政策的には非常に近く、連携できる可能性はありますが、兵庫県議会で全会一致で不信任を突きつけたという事実は残ります。
吉村氏は24日の「兵庫維新の会」の全体会合に出席することにしていて、これまでのけじめをつける目的もあるとみられます。
木原善隆コメンテーター
(2024年11月21日放送 newsおかえり)