不倫疑惑報道について謝罪する玉木雄一郎氏
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いったいなぜ、いったいなぜ、玉木!
特別に応援していたというわけではない。でも、日本中の誰が考えても、今は玉木さんにとって人生でもっとも重要な正念場だったんじゃないか。どう考えたって、ねずみ色のパーカーを着てバーで女の人と会っている場合じゃないのではないか? 一寸先は闇、隣は味方の顔をした敵ばかり……という恐ろしい世界に何年もいて、その恐ろしさを誰よりも知っているはずではなかったのか? ……なのになぜ、なぜなのだ玉木! と、人生の隘路のようなものを、玉木さんの不倫騒動に感じてしまうのだ。
申し訳ないが今は、性欲に負けた男……と、そんな言葉しか思いうかばず、しかしいったい、人生をかけるべき大切な時にでも、そんなことをしてしまうのが人間というものなのか……と、同情のような、憐憫のような、軽蔑のような、しかしこれ以上の物語はなかなか見られないぞという野次馬根性のような、様々な感情で心が乱れている。
玉木さんが女性と密会していたという地方ホテルに宿泊したことのある女友だちがいる。以下は彼女のセリフ(ほぼママ)である。
「信じられないですよ! あそこ、駅前で一番目立つホテルですよ。とても見渡しのいいロビーで、あんなところに数時間も(女性が待って)いたら目立つに決まってます。不倫するには最も不適切なホテルなんですよ!」
不倫するならホテルを選びなさい、と言っているのではなく、なぜそんなにも堂々と密会できると思えたのか、という不思議さなのである。
今回、観光大使の仕事をしていた相手の女性は、すぐさま解任を含めて検討中と報じられた。気の毒だ。
玉木さんは描いていたであろう未来を一瞬にして失ったが、職を失ったわけではない。でももし玉木さんが女性だったらきっと、国会議員でいることは難しかっただろう。不倫した女は、職も未来も名誉も尊厳も一気に奪われる。不倫が暴露されたとき、女性にだけ特に厳しい報道や処罰はいつものことだが、つくづく理不尽である。
また、世間は女性の年齢や服装にこうも厳しいのかと毎回あっけにとられるが、今回も39歳という相手の女性は、服装がチェックのミニスカートであったり、胸が強調されるトップスであったり、髪形が幼かったりすることで「年甲斐もない」というバッシングを受けていた。いくつになったって好きな格好をしたっていいのだし、似合えばいいのだし(とても似合っていた)、女性を全方向から責めるのはやはりおかしい。
とはいえ、やっぱりちょっとモヤモヤするとすれば、そしてご家族にはとても気の毒なことではあるけれど、不倫騒動が起きるときに“暴露”されるのは、不倫という事実そのもの以上に、玉木さんって“ああいう女性が好きなんだなぁ”という……知らなくてもいいような情報なのかもしれない。“ああいう女性”と一言で言うときの、言外に含んだその感情を言語化するのはなかなか難しいのだけれど、今回、玉木さんの不倫騒動にモヤモヤするのは、「あ~玉木さんて、そうなんだ」という点につきる。としか、いいようがない。
政治家の不倫問題。
私の世代だと、一番先に思い出すのは、1989年の宇野宗佑総理かもしれない。
宇野さんは当時、棚ぼた的な人事でいきなり総理大臣になったのだが、就任3日後に発売された週刊誌で宇野さんの愛人だったという女性が、宇野さんとの過去の関係を暴露したのだ。それが原因で、その年の参議院選挙で自民党が大敗し、宇野さんは退陣した。
当時の空気としては、“総理に愛人がいた”ことは大ごとであり、しかもそれがお金を介する関係であったことも問題だと捉えられ、さらに “宇野さんが女性にケチだった”、ということは致命的なダメージになった。宇野さんは女性の3本指を握って、月々のお支払いの交渉をしたとのことだが、指1本=100万円じゃなく10万円だったと女性側が暴露し、そのことでケチだね~! な話として広まったのだ(←バブルっぽい経済感ですね)。
私は当時大学生だったが、宇野さんを見ると気持ち悪くてしかたなくなったのを覚えている。今よりも恐らく男性の不倫には寛容な時代だったかもしれないが、それでも相手の女性側が告発するくらいに「宇野さんは酷い男だった」というメッセージも、宇野さんのイメージを最悪にした。告発当時、宇野さんは66歳、相手の女性は40歳だった。
今回の玉木さんの件と比べると、なんだか隔世の感がある。
80年代の40歳の女性は大変な成熟ぶりだった。世間は政治家の女性スキャンダルに激しく反応し、それは一つの内閣を潰すほどだった。女性に対しては「芸者というプロだった女が、秘密の関係を暴露するなんてみっともないッ!」というような批判もあったが、テレビで堂々と宇野さんを「人間性の問題だ」と批判する女性は負けていなかった。
今回の玉木さんは、「恋愛しているウキウキ感」が前面に出ていた。39歳の女性はまるでティーンのような格好でデートをしていた。そこには政治家としての重みも危機感もなく、フツーのサラリーマンのフツーの浮気な感じも含めていろいろと、考えさせられる。
政治家という職業に就く人たちも、平成・令和の過程で大きく様変わりした。そして私たちも、政治家の倫理観のなさというものにどこか諦めのように慣れきってしまっている。
きっとこの玉木さんの件も、きっと来年の今頃には風化して、誰も覚えていないような話になってしまっているのかもしれないくらいに。それにしても……玉木さん、ほんとに、なぜ!?
「誠実さのかけらもない」国民・玉木代表 不倫釈明での“ハニトラ発言”が波紋(2024年11月20日『女性自身』)
「39歳の格好じゃない」批判を浴びる不倫相手元グラドルの“セクシー私服”
11日に『SmartFlash』で元グラビアアイドルで高松市観光大使を務める小泉みゆき(39)との不倫が報じられた。同日の会見で騒動を謝罪した玉木氏は、現在も党代表として肝いり政策である「103万円の壁」見直し実現に向けて奔走する日々を送っている。
とはいえ、15日に「文春オンライン」が配信した記事で、小泉が過去に憲法審査会を傍聴し、玉木氏の発言に拍手を送っていたことが報じられ、“公私混同をしている”といった批判が上がるなど、世間の不信感を完全に拭えたわけではない。
冒頭、櫻井氏から不倫騒動の発端を問われた玉木氏は「ひとえに私の心の弱さだと思います。記事の内容については概ね事実ということで認めて、速やかに謝罪させていただきました」と説明。重ねて、こう続けた。
「セキュリティー・クリアランスを一生懸命やっていた、そのなかでハニートラップ対策はちゃんとやれと言っていた私としては、恥ずかしい話です。一方、速やかに会見したのは、内にだけある情報については、逆に速やかに公開をしないと、それを利用されてしまうということで、恥を忍んで。こういったことを、オープンにすべきはオープンにしようと、速やかに会見をさせていただきました」
セキュリティー・クリアランス(制度)とは、政府が経済安全保障上重要と指定した情報を扱う人物を、政府による調査を経て認定する制度。関連法案は今年2月に閣議決定されたが、玉木氏は3月にXで《今朝、国民民主党の政調会議で、セキュリティ・クリアランス法案に修正について議論。法案には調査事項として明示されていない「ハニートラップ」に関して、「性的行動についての節度に関する事項」を盛り込むことを決定》と報告していた。
番組での「ハニトラ」発言は、こうした報告をしていながら、騒動を起こしてしまったことへの自省を込めての発言だと思われるが、YouTubeで公開されている番組のプレビュー版の一部がXで拡散されることに。
不倫をスクープしたFLASHを見ても、小泉との関係は継続的に続いていたとされ、玉木を陥れるための“ハニートラップ”的な関係であったとは書かれていない。そのため、Xでは、“不倫相手が玉木氏を陥れるために近づいた”といった誤解を与えかねない玉木氏の説明を問題視する声が広がった。
《「ハニートラップ対策をちゃんとやると言っていた者として恥ずかしい」とわざわざ言及して自分の不倫が恰もハニトラに類するものであるかのように仄めかす言葉の使い方》
《「ハニートラップ対策はちゃんとやれと言ってる自分としては恥ずかしい話」「利用される」とか。誤認させるスタイル》
《どういう流れであっても、ハニトラと自分の不倫を同列にし語ったんだから、不倫相手を貶めたと解されても仕方あるまい》
《「ハニートラップ」という単語を使っただけでマジで誠実さのかけらもない勘違い被害者ヅラ野郎ということがよくわかった》