玉木氏は、相手の女性との交際に政治資金を使っていなかったかとも問われたが、「そういった宿泊には一切使っていない」と否定した。(佐藤裕介、宮尾幹成)
不倫が党の倫理規則に違反するのではないかとの質問には、「(党の)倫理委員会の判断を待ちたい。対象者の私が、当てはまるかどうか言う立場にない。客観的に、中立的に判断をいただきたい」などと答えた。
国民民主党倫理規則 第2条(倫理規範)
1. 本党に所属する党員は、次の各号に該当する行為・言動を行ってはならない。
一、汚職、選挙違反及び政治資金規正法令違反並びに刑事事犯等、政治倫理に反し、または党の品位を汚す行為・言動
女性と会う際に政治資金を使っていたかについては、全面的に否定。地元・香川県の自宅が高松空港から1時間半くらいかかるため、到着が遅くなった場合や翌朝の日程が早い場合には高松市内のホテルを利用していたとしていたと説明し、「自宅の代わりだということで、公私を明確に分けて、ポケットマネーで歳費の中から支払うことを徹底してきた」と強調した。
◆「制裁を下せるのは宇宙でたった1人、妻だけ」
総会に出席していた伊藤孝恵参院国対委員長は11日、自身のX(旧Twitter)で「最低だ。国会が“対決より解決”の政策論議を取り戻せるかもしれない千載一遇のチャンスに何やってくれてんだよ」などと批判しつつ、「自分の一番近くにいる人を裏切り、悲傷の渦中に突き落とした者は相応の制裁を受けるべきだ」「しかし同時に…それを下せるのは宇宙でたった1人だけ、妻だけだとも思う」ともつづった。
◆榛葉幹事長「玉木なくして、この党はなかった」
立憲民主党関係者は、前原誠司衆院議員(現在は日本維新の会所属)、大塚耕平元参院議員(名古屋市長選に立候補するため11月5日に辞職)、岸本周平元衆院議員(現・和歌山県知事)ら玉木氏より政治キャリアが長い先輩や初当選同期が国民民主党を去ったことで、「玉木代表にものを言える人がいなくなってしまったのではないか」と指摘する。
党内で古川氏に次いで国会議員歴の長い榛葉幹事長は「趣味は玉木雄一郎」と公言してきた。11日の両院議員総会後の記者会見では、「われわれは何度も玉木代表に助けられた。玉木なくして、この党はなかった」とかばった。
◆菅野志桜里氏「玉木さん辞任とならずよかった」
一方、かつて国民民主党所属の衆院議員だった菅野志桜里弁護士は12日、自身のFacebookで「政治家のプライベートを進退に直結させると、『そして誰もいなくなった』になってしまうから、政策実現・政治改革のためにも、玉木さん辞任とならなくてよかった」「政治家に限らず、私生活を理由に問答無用で職業人がキャリアを奪われるようなキャンセルカルチャーも、日本の活力をどんどん奪っていく」と指摘した。
菅野氏も2017年に自身の不倫疑惑が週刊誌に報じられ、内定していた民進党幹事長のポストが白紙になり、離党に追い込まれた過去がある。
◆「憲政史上初」だった宮崎謙介氏の議員辞職
政治家の不倫を巡っては、自民党の宮崎謙介衆院議員が2016年に自身の不倫が報道されたのをきっかけに議員辞職。不倫を理由にバッジを外した憲政史上初めてのケースとされる。自民党の宮沢博行衆院議員も2024年4月、自身の女性問題の発覚を受けて衆院議員を辞職している。
玉木氏は12日の記者会見で、国民民主党が少数与党の石破政権との交渉によって年収103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」などの引き上げを目指していることを踏まえ、「何とか国民の皆さんの期待に応えていきたいし、失われた信頼回復にも貢献していきたい」と話した。
【関連記事】「103万円の壁」引き上げって意義ある? 税収に穴、格差対策に課題 「庶民の生活を政争の具にするな」
【関連記事】アンチ「年寄りの味方」で大躍進の国民民主党 家計に優しい政策…裏には「今回の選挙で見せなかった」顔が
【関連記事】アンチ「年寄りの味方」で大躍進の国民民主党 家計に優しい政策…裏には「今回の選挙で見せなかった」顔が
玉木氏、不倫情報「脅される要因」 適性評価巡り、かつて自身も指摘(2024年11月12日『毎日新聞』)
国民民主党の玉木雄一郎代表は12日の記者会見で、知人女性と不倫関係にあったことについて「外国勢力にこういう(不倫の)情報があると脅される要因が出てくる」と述べ、情報保全上もリスクがあるとの認識を示した。そのうえで「(不倫が)明らかになった以上、すべて明らかにする」と述べた。
会見では、今年の通常国会で成立した「重要経済安保情報保護・活用法」の議論の際、国が身辺調査で信頼性を認めた人のみが情報を取り扱う「セキュリティークリアランス(適性評価)」制度について、玉木氏が「ハニートラップ対策」として、調査事項に「性的行動についての節度」を盛り込むよう主張していたことへの質問が出た。
玉木氏は「私自身もセキリティークリアランスのことは重視してきた」と説明。「(自分自身は)政府の立場ではないが、(不倫情報が)利用されないためには、防御を高める必要があった」と述べ、報道直後に謝罪会見を開いた理由を語った。
また、自身の行動が党倫理規則にある「党の品位を汚す行為・言動」に当たるかも問われたが「対象者の私が、代表の立場で当てはまるかどうかを言う立場にはない」と説明。「倫理委員会の判断を待ちたい。客観的中立的に判断いただきたい」と述べた。【遠藤修平】
国民民主党の玉木雄一郎代表が11日、一部報道で「高松市観光大使」を務める元グラビアアイドルとの不倫デートを報じられたことを受けて緊急記者会見を開いた。玉木氏は不倫報道について「おおむね事実」と認めたうえで謝罪した。
玉木氏は「妻には全て話しました。『こんな大事な時期にこんな報道されてなにやっているんだ』と強く叱責を受けました。全くその通りで、謝罪しても謝罪しても許されるものではありませんが、謝罪を続けたいと思っております」と夫人に謝罪した。
報じられた衆院選直後の10月30日の密会に関しては、「妻にも報告していました。やましい気持ちはありませんけど、ただ選挙の直後に、妻子のある男性が女性と2人で会うことが外から見たらどう考えても、いろんなご指摘を受けることは当たり前ですので…その点は甘んじて受けたいと思います」と話した。
不倫相手について、「妻も知っておりますので。私の政治資金パーティーにも、街頭演説にも顔を出す人なので、妻も知っておりましたので。『この人と会いますよ』ということは事前に。『今からこの人と会います』と、10時頃だったと思います」と夫人とも以前から面識があったことも明らかにした。