◆2000万円支給問題で「一挙に流れが変わった」
懇談会には、所属国会議員の6割に当たる186人が出席。冒頭を除き報道陣に非公開で約3時間にわたって行われ、約50人が発言した。
複数の出席者によると、石破首相にただちに辞任を求める声までは上がらなかったものの、2024年度補正予算や2025年度当初予算の成立など、しかるべきタイミングで責任を取るべきだとの意見が相次いだ。
衆院選終盤には、裏金事件で非公認となった10人の候補者が支部長を務める党支部に、公認候補と同額の2000万円の政党交付金を支給していたことが判明。これによって「一挙に流れが変わって多くの仲間が落選した」と、多くの恨み節も聞かれたという。
衆院千葉5区で落選し比例復活した英利アルフィヤ氏は、報道陣の取材に「最後の2日間、やはり2000万円の支給の問題で大幅に風が変わった」と振り返った。閣僚経験者も「バカなことしたなあと思った」と話した。
◆森山幹事長「強く責任を感じている」
衆院選で、政治資金パーティー裏金事件や旧統一教会問題などに関して厳しい批判を受けた自民党は、改選前の256議席から191議席まで減らし、24議席(8議席減)の公明党と合わせても過半数(233)に届かない惨敗を喫した。
森山幹事長は冒頭あいさつで、選挙結果について「強く責任を感じている。多くの国民の皆さんから厳しいご批判をいただいたことについては、厳粛に受け止めなければならない」と話した。
◆「まだ政倫審で説明していない議員がいる」
裏金事件を巡っては、衆参両院が政治倫理審査会への出席を求めた議員のうち73人が応じていない。
大岡敏孝衆院議員(滋賀1区で落選し比例復活)は、報道陣に「まだ説明していない議員がいる。ぼくらはそのせいで、全く説明していないとあちこちで言われた。組織の問題だ。しっかり政倫審を開いて、全ての議員が説明するようにしてもらわなければならない」と訴えた。
西田昌司参院議員は、岸田文雄前首相や、総裁選で石破氏と決選投票を争った高市早苗前経済安全保障担当相には「(衆院選前に)政倫審問題はカタをつけて、ちゃんと弁明をさせる機会を与えておかないと、一方的に野党やマスコミに批判の対象にされてしまう」と進言していたと説明。だが石破氏に対しては、急な衆院解散のため「そういう話をする間がなかった」と悔やんだ。
別の閣僚経験者は「われわれが(政治とカネの問題に)けじめをつけたつもりでも、国民にはそうは映っていなかった」と嘆いた。(政治部、デジタル編集部)