神宮外苑でイチョウ並木の枝折れる 再開発計画保全エリアの1本 都担当者「枯れたとは考えていない」(2024年11月7日『東京新聞』)

 
 再開発に伴う樹木伐採が始まった東京・明治神宮外苑地区で、開発後も保全予定の名所「4列のイチョウ並木」のイチョウ1本の枝が折れているのが6日、見つかった。本紙の計測では枝の大きさは周囲70センチ、長さ4メートル超ほどだった。並木を管理する東京都によると、枝が折れた樹木の生育状況はよく、枯れたとは考えにくいという。
明治神宮外苑で折れて落下したイチョウの枝=6日夜

明治神宮外苑で折れて落下したイチョウの枝=6日夜

 枝が折れたイチョウは、並木のうち東側2列の車道側に植えられており、伐採作業が行われている所とは離れている。6日午前、明治神宮の連絡を受け、都が状況を確認した。
明治神宮外苑で枝が折れたイチョウ=6日夜

明治神宮外苑で枝が折れたイチョウ=6日夜

 都公園緑地部計画課の担当者は「折れた木は生育状況は良く、枯れたとは考えていない。ただ人為的なものなのかどうかはっきりしない」と話した。再開発の事業者代表である三井不動産の担当者は取材に「工事中の車両がこの木にぶつかったなどの報告は受けていない」と答えた。
 再開発計画では高さ3メートル以上の樹木619本を伐採、242本を移植し、3棟の高層ビルや新球場、新ラグビー場を整備する。聖徳記念絵画館に続く4列のイチョウ並木は「保全する」としている。樹木の伐採は10月28日に始まった。(原田遼、森本智之)