左から高橋惠子、戸塚祥太。
高橋惠子と戸塚祥太がW主演を務める舞台「真夜中に起こった出来事」が、来年3月7日から17日まで東京・よみうり大手町ホール、22・23日に大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。
「真夜中に起こった出来事」(原題「Taken at Midnight」)は、イギリスの劇作家マーク・ヘイハーストが、アドルフ・ヒトラー政権下のドイツで実際に起きた出来事をもとに執筆した戯曲。2014年にイギリスで初演され、主演を務めたペネロープ・ウィルトンがローレンス・オリヴィエ賞主演女優賞を受賞した。
1931年のベルリン。ヒトラー率いるナチ党が躍進する中、若きユダヤ人弁護士ハンス・リッテン(戸塚)は、ヒトラーをある殺人事件の証人として約3時間の尋問で窮地に追い込む。しかし2年後にヒトラー内閣が成立すると、ハンスは強制収容所に投獄され拷問を受けるようになる。ハンスの母親イルムガルト(高橋)は、息子を救い出すため、ヒトラーに立ち向かい……。
演出を深作健太が担い、出演者には高橋と戸塚に加え、モロ師岡、畠中洋、松井工、生津徹、小日向春平、そして西岡德馬が名を連ねた。チケットの一般販売は来年2月8日10:00にスタート。高橋、戸塚、西岡のコメントは以下の通り。
■ 高橋惠子コメント
もしかしたら過去世でユダヤ人として迫害に遭ったことがあるのかもしれない。この作品はそんな私に神様から与えられたプレゼントのような気がする。イルムガルド・リッテンに寄り添い演じ切ること、素晴らしいスタッフ、共演者の方々と共に、これからの新しい世界が互いに尊重し合い、愛に満たされることを願いながら。
これまでの憎しみや怒り、恐怖や痛み、が少しでも癒されると信じて!
■ 戸塚祥太コメント
現代の日本の暮らしからはかけ離れていて目を背けたくなるような歴史の暗部ですが、物語として舞台で描くことにより僕自身も当時を知ることや平和の意味を改めて考えることができたらと思います。
凄惨な日々を過ごす彼らですが、心の中にはいつもユーモアと小さな希望があります。絶望の中にある一筋の光は例え大きな権力でも摘み取ることは出来ない。人間はどんな状況でも希望を探さずにはいられない生き物なのかもしれないですね。
母が子に抱く愛と行動力、人間が生きようとする光は信じることができる普遍である。台本を一読してそう思いました。
この物語を皆さんに観て頂ける日を心待ちにしています。ぜひ劇場にいらして下さい。
■ 西岡德馬コメント
読み始めてすぐに台本から懐かしい匂いがした。1930年台のヨーロッパの話と言うだけではない。
ケレン味が少しもない劇作法がである。私が演劇を志した頃によく観た演劇と言うか、今流行りの軽い浮かれたモノでない。
読み終わると、恐らく作者の意図するものは「女は弱し、されど母は強し」の格言通り、母親の子供に対する強い愛情の形では無いだろうかと想像した。
コレを今の日本人にどう伝えるか、私にとっても久しぶりのセリフ劇を、演出の深作さんとも話し合い、真摯にそして熱く取り組みたいと思っております。
■ 真夜中に起こった出来事
2025年3月7日(金)~2025年3月17日(月)
東京都 よみうり大手町ホール
2025年3月22日(土)~2025年3月23日(日)
□ スタッフ
作:マーク・ヘイハースト
演出:深作健太
□ 出演
イルムガルド・リッテン:高橋惠子
ハンス・リッテン:戸塚祥太
カール・フォン・オシエツキー:モロ師岡
エーリッヒ・ミューザーム:畠中洋
コンラッド博士:松井工
ロード・クリフォード・アレン:生津徹
グスタフ・ハマーマン:小日向春平
フリッツ・リッテン:西岡徳馬