11月も値上げだらけ……電気・ガス代は882円増、政府の補助は? 「1分」もあなどれない節ガス術(2024年11月2日)


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日テレNEWS NNN

11月も続く値上げ。食べ物や飲み物に加え、電気・ガスの料金も高くなります。政府の補助は今後どうなるのでしょうか? 街で聞くと、物価高を乗り切るためのさまざまな光熱費の節約術がありました。短時間の工夫もあなどれない、ガスの節約術に注目です。 【図解】スーパー、使い分けの基準は? そこで今回の#みんなのギモン では、「11月も値上げ どう乗り切る?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。 ●電気とガス “終了”で882円増 ●節電・節ガス「1分」あなどるな

■今年の値上げ率、平均で17%

小野高弘・日本テレビ解説委員 「11月になりました。最近は1日になると値上げのニュースを毎月必ずやりますね。11月も値上げだらけです」 「何がどれくらい値上げされるのか。帝国データバンクの集計(11月1日出荷分・納品分)によると、主な食品メーカー195社の合計で主に家庭用の飲み物と食べ物の11月の値上げは、282品目に及ぶとみられています」 「例えばパックご飯。東洋水産は11月出荷分から、55商品の希望小売価格を13%~14%値上げします。今年は一時コメが品薄状態になりましたが、今回の値上げはコメ自体の高騰もありますが、物流費や燃料費が上がり続けていることも理由にあります」 「飲み物では、大塚製薬ポカリスエット(500mlペットボトル)が20円アップして170円(税抜、希望小売価格)になります」 森圭介アナウンサー 「結構、衝撃ですね。ずっと飲んできたからこそ『20円上がるんだ』という感じがしますね」 小野解説委員 「オロナミンCドリンクは1本15円アップで135円(税抜、希望小売価格)。こちらも原材料費などの高騰が理由です」 「さらに、カカオ豆の高騰が続いていることから、チョコレート製品も値上がり。ロッテでは11月出荷分から、70もの商品が3.7%~38.4%高くなります。チョコを含む菓子では、35か月連続で何かしらの商品が値上げされています」 森アナウンサー 「コアラのマーチは1粒1粒大切に食べないといけないですね」 小野解説委員 「帝国データバンクによると、今年は累計で1万2458品目が値上げされる見込みで、値上げ率は平均で17%。例えば100円の物だと117円になったということです」

■大手電力、10社全てで値上がり

小野解説委員 「そして11月の注目は、電気・ガスです。大手各社で11月使用分、つまり12月になって請求される分の料金が高くなります」 「電気は大手10社全てで値上がりします。例えば東京電力の場合は、標準的な使用量の家庭で10月と比べて608円上がって8868円に。これは3年前の同じ時期に比べると1400円ほど高くなっています」 「そしてガス代について。東京ガスでは、平均的な使用量の家庭で、10月と比べて274円値上がりし、5948円になります。(電気とガス)両方合わせると月に882円アップします」 鈴江奈々アナウンサー 「いまは11月でまだ暖房に手を付けていませんが、本格的に寒くなってくると暖房もよく使うようになりますし、結構家計に響きそうですね」 忽滑谷こころアナウンサー 「電気とガスは皆さんが使う、生活に密着したものなので、これは結構苦しいですよね」

■「酷暑乗り切り緊急支援」が終了

小野解説委員 「なぜこれほど上がるのか。10月の使用分までで、政府の補助金が終わってしまうことが主な要因です。この補助金は、もともとロシアのウクライナ侵攻後に燃料価格が世界的に高騰したことを受け、去年1月にスタートしました」 「今年の5月にいったん終了しましたが、前の岸田政権の時に『酷暑乗り切り緊急支援』として8月使用分から3か月間限定で復活していました。ただ、この期間限定補助金が10月分で終了したことで、11月分からかなりの値上がりとなります」

■電気・ガス代の値上がり対策も検討へ

刈川くるみキャスター 「もともとは期間限定とされていたので、『ついに来てしまったか』と怖さがあります。今後何かがきっかけで支援が再開される可能性はあるのでしょうか?」 小野解説委員 「自民党衆院選の公約で、燃料費高騰対策や物価高への総合対策に取り組むと約束しています。公明党も、家計を圧迫している電気・ガス代など燃料費への支援を続けるとうたっていました」 「衆院選の時の出口調査でも、皆さん物価高をとても重視して投票していたと思います。それにしっかり応えるということなのでしょう。では政府の動きはどうなっているのでしょうか」 「11月中旬には、『物価高対策を含む経済対策』をまとめる予定で、その中で電気・ガス代の値上がりへの支援についても検討される見通しです。ただ、これまで通りの補助金となるかどうかは不透明です」

■街の人に聞く…光熱費の節約術は?

小野解説委員 「こうして値上がりが続く中、『節約するのもこれ以上は限界だ』という声も聞かれます。街の人に光熱費の節約術を聞いてみました」 4人家族の主婦(60代) 「(料理の)ガスは強火にしなくて大丈夫なところがあるので、そこは弱火にして、鍋の底にちゃんと当たるくらいで」 3人家族の主婦(60代) 「寒くなったらやっぱり湯船に入らないといけないから、なるべく間隔を縮めて入るように努力。ひとり入ったら次ひとり入って、間を空けると追い炊きとかしないといけないから」 年金でひとり暮らし(70代) 「暖房はあまり使わないようにして、なるべく1枚着ていたのを2枚、3枚着て我慢するしかない」 5人家族の主婦(40代) 「とにかく電気は使っていないところは消す。あとは(お湯の)温度を上げすぎない」

■家庭のエネルギー消費、3割がお風呂

小野解説委員 「皆さん、ちょっとしたところでいろんな節約術を考えていらっしゃいます」 森アナウンサー 「私は家で冬場はダウンを着ていて、大学時代から癖になっています。暖房は控え目にします。私の部屋はいつも寒いです」 鈴江アナウンサー 「冬の間は重ね着をすることができるので、まだ耐えられるのか、どうなのか…」 小野解説委員 「最近、日が暮れると寒いですからね。お風呂で温まる上でのガスの節約術を紹介します。東京ガスが節約情報などを載せている暮らし情報メディア『ウチコト』によると、お風呂は家庭でのエネルギー消費の約3割、水の使用量の約4割を占めると言われています」

■シャワーの設定温度、2℃下げると?

小野解説委員 「お風呂の存在は大きいです。シャワーは出しっぱなしにしがちですが、一般的なシャワーで1分間で約10Lのお湯を使います。家の中で、1人1日1回、1分間使用時間を短くするだけで、4人家族の場合、水道代を含めて年間9704円節約できます」 「また、寒い時に上げがちなお湯の設定温度について、熱すぎるシャワーは肌の負担にもなります。設定温度を42℃から2℃下げて40℃に設定すると、水道代を含めて年間で2939円の節約になります」 刈川キャスター 「冬場はできるだけ温かいお湯につかりたいなと思いますが、どちらもすると結構な節約になるので、協力してやりたいですね」

■「追い炊き」省く工夫でいくら浮く?

小野解説委員 「ウチコトによると、追い炊き分を浮かせるためにお風呂をわかす時や入浴後はふたを閉めると年間4039円節約できます。家族がいるなら時間を空けずに次々入浴することで年間3174円お得になります」 鈴江アナウンサー 「家族みんなでちょっと協力するだけで大分節約につながりますし、見える化すると頑張れる気がします」 森アナウンサー 「どうせやるなら楽しんでやりたいですね」 小野解説委員 「物の値段が上がって、今ほど気軽に手にすることができないという場面も増えてきました。政府にもしっかり対策に取り組んでいただきたいと思います」 (2024年11月1日午後4時半ごろ放送 news every.#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)