<シリーズ 検証マイナ保険証>
現行の健康保険証の新規発行廃止まで、あと1カ月。
12月2日の保険証廃止に否定的な人ほど、マイナ保険証への姿勢を重視し、投票先を選んでいた。(マイナ保険証取材班)
◆マイナ保険証の利用率、9月末でも14%弱
「ニュースあなた発」のアンケートは多様な声を聞き取るのが目的で、無作為抽出の世論調査とは異なる。
衆院選の投開票翌日から10月31日まで通信アプリLINE(ライン)で呼びかけ、男女522人から回答があった。
マイナ保険証の利用率は、9月末時点でも13.87%にとどまる。現行の保険証廃止には、いまだ不安や疑問の声が多く聞かれる。
◆7割がマイナの公約を考慮して投票
アンケートで、衆院選に投票したと答えた492人のうち、保険証を巡る公約などを考慮したと回答したのは338人と7割を占めた。裏金問題だけでなく、マイナ保険証への関心の高さもうかがえた。
12月廃止に反対する人のうち、7割以上が保険証に関する公約を考慮して投票していた。マイナ保険証への一本化を支持した人のうち、考慮したと答えた人は2割にとどまった。
◆「マイナ強制で今回は野党に投票」
「マイナ保険証の強制があったから、今回は野党に投票した」(東京都60代女性)という人もいた。
アンケートでは、マイナ保険証への見解も尋ねた。現行の保険証廃止を支持する人は29人で、全体の1割にも満たなかった。
◆現行の保険証廃止への支持、1割も満たず
反対意見のうち、「保険証廃止を撤回し、マイナ保険証と併存」は190人、「保険証廃止を延期し、一定の条件が整うまで存続」は78人、「マイナ保険証の導入に反対」は216人だった。
理由として「両方の良い点、悪い点があるから、共存させるのがベストだと思う」(神奈川県40代女性)、「準備や周知が追いつかない状態では混乱する」(滋賀県40代女性)、「そもそもマイナンバーカードが任意」(東京都50代男性)などの声が寄せられた。
◆「不具合多い」「紛失心配」「便利だ」
アンケートには、マイナ保険証に関して、次のような意見も寄せられた。
「医療関係者です。不具合が多すぎる」(東京都40代男性)
「少し医療費が安くなると言われたので使っていますが…顔認証ではエラーになる」(東京都60代女性)
「マイナカード自体を持ち歩きたくない。紛失等のリスクが心配」(千葉県60代男性)
「一方的に決められた期間に、マイナ保険証に切り替わることに不満がある。個人情報の流出などの不安もあるのに、政府から丁寧な説明もない」(東京都50代女性)
「マイナ保険証を使ったことがあるが、投薬記録が残り便利」(千葉県60代男性)
「マイナ保険証は使っていますが便利だと思います。早く全国的に広がればと思います」(広島県70歳以上男性)
「現行保険証に不便を感じていない」(東京都30代女性)
「クリニックの受け付けでトラブルになっているのをよく見る。その度に受付業務が滞っていた」(神奈川県60代女性)
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