「裏金」に関係し、落選した自民党の元議員たちの投稿。敗北への謝罪や支援への感謝を述べる内容が大半だ=Xから
だが、選挙後のSNSを見てみると、その姿勢は二分されている。つぶやきを調べてみた。
◇大半が支持者向けの「お礼」に終始
では27日の投開票後はどうか。29日夜までに何らかの投稿を確認できたのは18人だった。
内容は、大半が「ご支援をありがとうございました」というお礼。「期待に応えられず申し訳ありません」「私の不徳の致すところ」「全責任は私にあります」という、支持者向けの陳謝の言葉も多く並んだ。
ただ、18人中16人は「裏金」に言及していない。
◇「助けてください」のあの人は…
東京7区で落選した丸川珠代氏(53)は28日、インスタグラムに「あたたかいご支援をありがとうございました」という短文付きの動画をアップした。
選挙期間中の22日には、Xに3回のポストを載せたが、返信欄に「裏金」「応援しません」といった批判的なコメントが殺到。Xはそれ以降、更新されていない。
いっぷう変わった内容を投稿したのは、新潟5区で立憲民主党前職に敗れた高鳥修一氏(64)。28日夜、Xに「私のことを心配してのメールをいくつか頂いていますが、私は皆さんが、がっかりするほど元気です」と投稿した。
「新聞はわざと私が半分目を閉じたような写真を使って『虚(うつ)ろな表情』と書きましたが『味付け』された感じです」とも付記している。
◇「裏金」言及は2人
大半が「裏金」に沈黙したり言及を避けたりする中、わずかでも触れたのは2人だった。
藤原氏は28日未明、「政治資金、党青年局に関する一連の問題や、<中略>期待に応えることができなかったこと、深くお詫(わ)びを申し上げます」と記した画像をXに載せた。
同じく「裏金」に言及した中根氏は29日午後、フェイスブックに長文を投稿。「自身の、そして、自民党の、(政治資金収支報告書の)不記載をはじめとするさまざまな問題に端を発し、大変厳しい選挙戦でありました」と記した。
◇選挙後に「沈黙」は10人
一方、選挙中にはSNSで何らかの発信をしつつ、落選すると「沈黙」状態になったのは10人。
例えば丸川氏の夫で、埼玉9区で落選した大塚拓氏(51)。Xは選挙戦最終日の26日夜に「一票をお願いします」と動画付きで投稿した後、更新されていない。
ほかにも、14回目の当選を目指した大分2区の衛藤征士郎氏(83)は、選挙期間中こそ政策や投票の呼びかけを書き込んでいたが、26日の投稿が最後になった。
◇他にやることも
インターネット上での選挙運動が解禁されたのは2013年。今やXやインスタグラムにとどまらず、ユーチューブやTikTokを駆使するのは当たり前だ。