【愛子さま】初めての単独地方公務のファッションを考察。若きキャサリン妃との類似点も発見!(2024年10月30日『webマガジン mi-mollet』)

10月11日、12日と2日間にわたり佐賀県を訪問された、天皇皇后両陛下の長女、愛子さま
初めての単独での地方ご公務ということで、迎える佐賀では愛子さまのお姿を拝見しようと、多くの市民が心待ちに集まっていました。
1日目は、佐賀市のSAGAスタジアムにて、「国民スポーツ大会」の陸上競技を観戦され、その後佐賀城本丸歴史館をご訪問。2日目は同じく「国民スポーツ大会」の柔道競技をご覧になったあと、ご自身が勤務されている日本赤十字社の施設、赤十字血液センターを視察。
更には、2年前に土石流で被災をした名尾地区を訪れ、被害についてお聞きになった後には、県の重要無形文化財である名尾手すき和紙の工房をご訪問。実際に紙漉きの体験もされた愛子さまでした。
通常の勤務に加え、ご公務にも精力的な内親王愛子さま。ましてやお1人での2日間の地方訪問ということで、勝手ながら、そのファッションにも注目させていただきました。
一言で感想を述べるなら、新しい!
愛子さまらしい気品あるプリンセススタイルは勿論のこと、2日間、2スタイルのメリハリの効いた異なるスタイルと、なんともモダンな着こなし方が素晴らしかったのです。
更には、どうしても英国がチラついてしまう私ゆえ(笑)、またもキャサリン妃を思い起こさせるスタイルのようにも感じたり……。年齢差はあれど、同じ時代を生きる若きプリンセスのスタイルはやはり似ているのかも知れない。そんなことを思いつつ、日本のプリンセス愛子さまファッションを軸に、英国キャサリン妃を含めた、令和流ロイヤルスタイルを考察します。
単独ご公務1日目の愛子さまはピンクベージュのスーツ
キャプチャ
2024年10月11日。写真/JMPA
こちらが1日目の愛子さまファッションでした。
佐賀市に到着をされ、初の単独地方ご公務という良い意味での緊張感や、市民に対しての敬意をも感じられる、スーツというアイテムを選ばれたことに納得するとともに、そのデザインに感嘆もしました。
優しく控えめなピンクベージュという色は、愛子さまの白い肌を引き立てる気品にあふれた色であり、そこに白のパイピングがアクセントになったことで明るさと華やかさがプラスされ、今年(12月)23歳となられる愛子さまのご公務服として、とても美しい! と感じました。
これは、今回のために仕立てられたスーツだと推測しますが、襟の形がこれまでのものより少し大きく丸みがあり、愛子さまのお顔と甘すぎない絶妙なバランスですね。また、ウエストも何気にカーブが入り、袖や身頃も動きやすい範囲内で無駄のないゆとりだけなので、とてもモダンな印象に見えています。
スカートも、プリーツやタックを取らず、ヒップまわりがすっきりフィットして見えるようなパターンで自然なフレアーラインが作られています。丈は当然のごとく、皇室基本の膝下。それゆえにジャケットの丈を腰より上のややショートにすることで脚長バランスに。しかもフィット&フレアーと、まさにこれらはキャサリン妃の鉄板バランス、シルエットと同じです。
一見定番的デザインに見えて、その実、愛子さまのこのスーツ姿は、これまでと大きく印象を変えるモダンな内親王スタイルだと感じました。
では、寄り画像で小物やヘアスタイルも拝見してみましょう。
キャプチャ2
写真/JMPA
スーツに合わせてクラッチや靴は、同系色でトーンを抑えたベージュを選ばれています。
クラッチの形は横長の五角形と思しきもので、持ちやすいサイズ感。お洋服を選ばないシンプルなデザインも、長く使えるようにという堅実な天皇皇后ご一家らしいご意志がうかがえます。
また白のグローブはスーツのトリミングともマッチし、こうして片手でお持ちになった際に、美しく3色が並んでいるのも、もしや計算済みなのかも知れません。
全体の印象を決定づけるヘアスタイルはアップスタイル。
スーツにはポイントとなる襟がついていることと、到着時のキチンと感を出す意味でも、このスタイルがとても合っていると感じました。中心から斜めに作った分け目から、前髪を少しだけ下ろされ、あとはすっきりとまとめた愛子さまスタイル。大人っぽく見えつつお可愛らしさも感じられ、お洋服と小物、髪型全てが愛子さまらしく、現代の日本のプリンセスらしさに溢れていました。
英国キャサリン妃の単独初海外ご公務の場合
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2016年10月11日、オランダを公式訪問。 スーツ/キャサリン・ウォーカー クラッチ/L.K. ベネット 靴/ジャンヴィト・ロッシ 写真:Splash/アフロ
ちなみに、こちらがキャサリン妃の初の単独での海外公務ファッションです。似てますよね!
控えめなブルーの襟付きスーツで、ウエストのペプラムやタイトスカート、膝上丈といった点は、欧州プリンセス、またキャサリン妃の鉄板デザインですが、パステル系の色や、トレンドに関係ないクラシックなデザインといったところも、日英ともに似ています。
また、クラッチや靴の色味も、愛子さまと同じベージュを合わされています。
これはむしろ、同系色やワントーンでの上品スタイルをロイヤルスタイルとして定着させたキャサリン妃や欧州ロイヤルの影響が、実は日本にもあるのかも? などと推測しますが、かつては黒やネイビーといったダークカラーで足元にアクセントをつけていた時代から、目立たないベージュや白などで馴染ませ、足元にアクセントをつけない現代のロイヤルスタイルを、愛子さまも取り入られているように感じた次第です。こんな些細なことが、実は大きく印象を大きく変えるのです。
にしぐち 瑞穂