「おごれる者は久しからず」――。衆院選開票結果を掲載するため、特別輸送態勢のきょうの各紙の1面トップには「自公大敗 与党過半数割れ」や「裏金自民惨敗」などの大きな見出しで、自民党が「政治とカネ」の問題を受けて、大敗したことを報じている。
昨日(10月27日)投開票された第50回衆院選の全議席が確定し、自民党は公示前勢力から56議席減の191議席となり、公明党と合わせた与党で総定数465の過半数(233議席)を下回ったほか、自民党と連立を組む公明党も9月の党大会で就任したばかりの石井啓一代表が落選するなど、8議席減らし24議席となったという。
与党過半数割れの結果を受けて、きょうの各紙の社説などは今後の政局の動きなどを見通しつつ、きびしい論調が目立つ。読売は「当面、政権が弱体化することは避けられない」としながらも「内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない」と指摘。
朝日は「国会を数の力で押し切る『自民1強』の時代は終わった。多様な民意をくみとり合意形成をめざす本来の議会政治を取り戻さなければならない」。毎日も「与野党は過渡期に甘えずに責任を改めて認識し、広範な国民を包括する新たな統治モデルの形成を急ぐべきだ」。
東京は「自民党派閥の裏金事件は、その当事者にもかかわらず、信頼できる政治に向けた取り組みが不十分だと有権者が判断した」としつつ、「これ以上、抜本的な政治改革に背を向け、国民を軽んじた政治を続けてはならない」と警鐘を鳴らす。
与党の過半数割れはともかく、昨年12月、自民党の自動車議員連盟の新会長に就任したばかりの甘利明・元幹事長は小選挙区で敗れ、比例も重複していないため、落選した。複雑化する自動車関連の税制改正をめぐり影響は避けられないとみられる。
2024年10月28日付
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