自民党派閥の裏金問題で党公認や比例重複を外された候補者は、裏金について選挙戦でどう説明しているのか。東京の街を歩いた。(敬称略)
◆「いろいろ問題があった、いろいろ言いたいこともある」
通勤客たちと握手する候補者=東京都葛飾区で
公示直前に決まった無所属での出馬。しかし、両脇には地元の自民区議らが並び「28年間この地で愛された平沢勝栄です」とマイクで訴える。下町の義理人情が重んじられる土地柄の葛飾区が地盤。「冠婚葬祭や地域行事のどこにでも現れる」と評される熱心な活動ぶりで支持地盤を築いてきた。「大変厳しい選挙」との声とは裏腹に、駆け寄り握手を求める人の数は少なくない。
裏金事件については、15日の出陣式で「私はいろいろ問題があった、いろいろ言いたいこともある」と述べた以外、ほぼ触れていない。20日夜の公開討論会で他候補から説明を求められたが「今回は自民党みんな関係あるんです。私1人あなた1人ということじゃない」とするにとどめた。
自民は、非公認でも党支部に2000万円を支給していた。陣営関係者は「届いたか確認していない。選挙に充てる金じゃないし、違法性もない」と淡々と話す。
◆他候補も認める「平沢は強い」
裏金について有権者からは「逃げ切れば良いと思っているのか」と厳しい声も上がるが、長年の支援者は「これまでよくやってくれた」と功績を重視。陣営からは「支援者は政策の説明は求めていない。とにかく平沢勝栄ならそれでいいんですよ」と本音が漏れる。
他陣営はどう挑むのか。国民民主党新人の円より子は「非公認でも(平沢陣営は)強いでしょう」としつつ、シングルマザーや女性支援などを訴える。日本維新の会新人の猪口幸子は「平沢は強いが代わりの選択肢としての自分の政策を示す」と教育無償化や社会保障制度の改善を主張。共産党新人の新井杉生は「自民党のゆがみの大本を正す」とし、賃上げや大学の学費半額化などを訴える。(鈴木里奈)
東京17区 葛飾区全域で構成される。これまで江戸川区北部も含まれていたが、区割り変更により単独構成となった。立候補者4人は前回2021年の選挙と同じ顔触れ。小選挙区制が導入された1996年以降、衆院選では自民党の平沢勝栄が一貫して勝利している。今月14日現在の選挙人名簿登録者数は38万4981人。
◆東京17区 立候補者(届け出順)
猪口 幸子 68 維新 新
新井 杉生 65 共産 新
円 より子 77 国民 新
平沢 勝栄 79 無所属 前⑨
猪口 幸子 68 維新 新
新井 杉生 65 共産 新
円 より子 77 国民 新
平沢 勝栄 79 無所属 前⑨
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