平和の構築に向けた国際社会の努力を踏みにじる蛮行である。絶対に許されない。
これまでもネタニヤフ氏は、敵対するイスラム組織ハマスやイランへの対応が不十分だとして国連を「軽蔑すべきもの」と指弾してきた。国連大使は総会の場で国連憲章を記した紙を細断し、カッツ外相はグテレス氏の入国を禁止すると表明した。
国連不信の背景には、アラブ・イスラム諸国をはじめ自国に批判的な新興・途上国が国際的な発言力を高めている状況がある。だからといって国連をないがしろにする振る舞いは受け入れられない。
国連は第二次世界大戦の反省から、世界の平和と安定を維持するために誕生した。
シャレット初代外相は48年の加盟申請時、「国連憲章の義務を尊重する」と宣言している。
ネタニヤフ氏は「我々の消滅を狙う敵」の脅威を強調し、国際ルールの順守よりも自国の防衛を優先する姿勢を鮮明にする。
だが、国際的な孤立を深めれば、かえってイスラエルの安全保障を損なう。国連加盟時の約束を守るべきである。