決め手は…検察が開示した287点の“新証拠”に 福井・中学生殺害事件の再審開始
■検察が287点の新証拠開示
有罪の根拠の一つとなった男性の供述調書
「事件当日、歌番組を見てから外出し、血の付いた前川さんを見た」
男性が見たという歌番組の内容が、事件当日には放送されていなかったことが、新たに開示された捜査報告書から判明しました。
検察は、日付が違うことは裁判中に把握していたものの、その報告書を裁判所に提出していませんでした。
■証拠開示の“規定なし”が課題
これまで裁判で出てこなかった証拠が、なぜ今回開示されたのでしょうか。
弁護団はおととしの再審請求にあたり、検察側に証拠の開示を求めましたが拒否されました。しかし、裁判所が証拠の開示を強く求め、検察側がこれに応じて、捜査報告書など287点の証拠を開示しました。
要望書では「戦後の法改正から取り残された結果、今なお戦前の規定がほぼ踏襲され、審理手続を具体的に定めた規定はないに等しい状態。過去の再審事件において証拠開示が不十分で、著しく遅かった」などと指摘。議員立法という選択肢も視野に、今後の議論を深めていくとしています。
■袴田ひで子さん「法改正急いで」
今回の再審開始決定を受け、袴田巌さんの姉・ひで子さんは「再審が開始されることになって大変喜んでいます。前川さんとはお互いに集会などで励ましあってきました。法律の改正を急いでやっていただきたく思っております」と話しています。
「捜査機関が供述を誘導」 38年前の女子中学生殺害事件で再審開始決定 証拠開示しなかった検察に裁判長は「不誠実で罪深い不正」と批判【news23】(2024年10月24日『TBSテレビ』)