衆院選期間中に国政の中枢が襲撃された
衆院選が公示されて初の週末を迎えた19日早朝、厳戒態勢が敷かれる中で政治の中枢が襲撃された。令和4、5年には国政選挙期間中、単独でテロを行う「ローンオフェンダー」に要人が狙われる事件が相次いで発生。今回もその疑いがある。
首相官邸前の柵に突っ込んだ車
ローンオフェンダーの対策は、日本のみならず世界各国の課題となっている。国内では令和4年7月に奈良市で安倍晋三元首相が、5年4月には和歌山市で岸田文雄前首相が襲撃を受けた。いずれも個人による犯行だった。
警察庁は今年4月、全国の警備、公安部門に司令塔を置き、兆候情報を一元化する態勢を構築。警視庁公安部は来春、これまで2つの課に分かれていた、情報集約と、爆発物の材料となる市販品の購入者への身分確認など対策を専従で担当する課を新設する方針だ。
ただ、限界はある。今回の事件で逮捕された臼田敦伸容疑者は抗議活動に参加していたほか、選挙制度に不満を持っていたとみられる。過去には震災がれき受け入れを巡る自治体の説明会に侵入して捜査を受けたこともあったが、いずれもテロに直結するようなものではなかった。
警察幹部は「法律の範囲内でどう情報を集め、直接行動に出るのを察知するか、検討を続けていく」と話した。(橋本昌宗)
は、テロ組織に属さない個人が、単独でテロ行為に及ぶことを表す用語である。ローンウルフ(英語: lone wolf)とも呼ばれているが、2022年頃以降の日本ではテロ行為者を美化しない言葉としてローンオフェンダーが使用されている。