「許されない行為」「事件連鎖するかも」永田町の事件受け陣営に緊張、警察も警戒強める(2024年10月19日『産経新聞』)

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候補者の演説を聞く有権者ら=19日午後、大阪府高槻市(泰道光司撮影)
東京・永田町で19日朝、自民党本部に火炎瓶のようなものが投げ込まれるなどした事件を受け、衆院選を戦う陣営関係者に緊張が走った。この日は衆院選公示後、初の週末。多くの陣営が、駅前や商業施設など人が集まる場所での活動を予定していた。「許されない行為」「事件が連鎖するかも」。怒りや不安が交錯する中、陣営や警察関係者は警戒を強めた。
大阪のある陣営は19日、党幹部を招いて駅前で街頭演説を実施。スタッフ約30人が警備や歩行者の誘導にあたった。「事件が連鎖するかもしれないので警戒を強めたい」と陣営関係者。滋賀県内の小選挙区から出馬した候補者は「健全な民主主義の発展のために政治責任を果たしていく」と力を込めた。
大阪の自民陣営は近く、石破茂首相の応援演説を予定しており、当日の警備態勢の確認作業に追われた。警察当局の警備に加え、陣営から約50人のスタッフを動員し、警備会社にも委託。演説時には、有権者との間に数十メートルの距離を確保する計画という。
陣営のスタッフは「こういった事件があると警備がより厳重になるのは仕方ない」としつつ、「会場の様子を見た有権者には政治家が遠い世界の住人のように映ってしまうのではないか」と懸念する。
警察当局も厳戒態勢を敷く。大阪府警幹部によると、警戒レベルを上げるよう各警察署に指示。演説会場や自民党関連施設周辺では見回りを強化し、職務質問を含めた対応強化に乗り出した。
担当者は「今回の事件を受けて、触発された模倣犯が出ないともかぎらない。選挙戦ですでに厳重警戒はしているが、改めて緊張感を高めていきたい」と話している。