押収された、クレジットカードなどの不正作成に使われたとされる偽造運転免許証など=8月、福岡・西署
偽造した身分証で、クレジットカードやキャッシュカードが不正に作成される事件が相次いでいる。捜査関係者は「技術が高く、偽物と見抜くのは難しい」と指摘。申請がオンラインで完結し、チェックが甘い業者が狙われている。
「玄関に靴がなく、生活感がなかった」。昨年、福岡市内のアパートにクレジットカードを届けた配達員は違和感を覚えた。出てきた男が示した免許証は本物に見えたが、家具も見当たらない。警察に連絡し、この一報から愛知、福岡の両県警は詐欺などの疑いで12人を逮捕した。
福岡県警によると、偽造免許証約400枚を押収。10社以上のクレジットカード会社と計500件以上契約し、判明した利用被害額は1億円近い。受け取りに使われた空き家は2府7県の約600件で、会員制不動産サイトで検索していた。