ドキュメンタリー映画「拳と祈り―袴田巌の生涯―」19日公開 笠井監督「家族のような目線で」(2024年10月16日『スポニチアネックス』)


キャプチャ
袴田巌さんを追ったドキュメンタリー映画の19日公開を前に会見する笠井千晶監督
 1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した元プロボクサーの袴田巌さん(88)を追ったドキュメンタリー映画「拳と祈り ―袴田巌の生涯―」の笠井千晶監督(49)が15日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見した。
 笠井監督は「家族のような目線で、日々の暮らしをありのまま撮らせていただきました」と、姉の袴田ひで子さん(91)に感謝。
 再審無罪判決が確定したことを受けて畝本直美検事総長が出した談話についても言及し、「控訴を断念した一方で、まだ有罪の立証ができるかのような内容だったことに矛盾を感じる」と話した。
 映画は19日から渋谷ユーロスペースほかで公開される。

キャプチャ
 
解説
死刑囚として47年間の獄中生活を送った袴田巖さんの闘いの軌跡を追ったドキュメンタリー。
1966年6月に静岡県で起きた味噌会社専務一家殺人放火事件の犯人として死刑判決を受け、47年7カ月もの獄中生活を送ってきた袴田巖さんが、2014年3月に突然釈放された。プロボクサーとして青春を駆け抜けた袴田さんは30歳の時に逮捕され、無実の訴えは裁判所からも世間からも黙殺された。明日にも死刑が執行されるかもしれないという恐怖の日々を耐え続け、釈放時には78歳になっていた。
死刑囚が再審開始決定と同時に釈放されるという前代未聞の事態が劇的に報道されるなか、22年間にわたって袴田さんを追い続ける笠井千晶監督が、その舞台裏を記録。カメラは半世紀近く引き裂かれていた袴田さんと姉・秀子さんの2人の生活をとらえ、対話を重ね、袴田さんの心の内面深くに迫る。
2024年製作/159分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2024年10月19日