◆「実際は大半が公認される」甘い対応と批判
首相が示した公認基準では、確実に非公認になるのは萩生田光一元政調会長や平沢勝栄元復興相ら6人だけ。残りの40人ほどの扱いは、地方組織の意見や党の情勢調査結果を踏まえ、9日に開く党選挙対策本部で方針を決めるとみられる。
政治資金収支報告書に不記載があった裏金議員の多くが公認される余地は残るが、党幹部は比例重複を認めない対応について「非常に重い」と強調し、ある議員は「はしごを外された」と憤慨する。裏金議員の10人ほどは2021年衆院選では小選挙区で敗れ、比例復活で議席を得ている。
自民への逆風が止まらず、前回以上に厳しい選挙戦になるのは確実。旧安倍派で東京6区から立候補を予定していた越智隆雄元内閣府副大臣(比例東京)は7日、不出馬を表明した。越智氏は比例重複が認められない裏金議員の1人だ。
◆党から支給の公認料500万円・活動費1000万円は?
非公認となれば、公認された場合と比べて、資金面や活動面で大きな差が生じる。最近の衆院選では党から公認料500万円や活動費1000万円が支給されていたが、受け取れなくなる。
テレビなどの政見放送は政策や人柄を広く訴える機会だが、非公認になると出演できなくなる。配布できるビラの数も、公認候補なら個人分7万枚に政党分4万枚を上乗せできるが、非公認ではそれもできない。ポスターやはがきの枚数、設置できる事務所数も公認候補より少なくなる。
党内からは「旧安倍派にはけじめをつけてもらわないといけない。最低限、これくらいやらないと困る」(中堅議員)と、厳しくない当然の対応との受け止めもある。郵政選挙で対立候補を破った経験のある野田聖子元総務相は記者団に「もう一度、国民の信任を得るためには厳しく律していかなければならない」と首相の判断に理解を示した。
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