国民スポーツ大会(国スポ)の総合開会式に合わせ天皇、皇后両陛下が5、6日の日程で来県された。両陛下そろっての佐賀訪問は22年ぶり。佐賀にゆかりのある両陛下は、訪問先や沿道で多くの県民の歓迎を受け、笑顔で手を振って応じていた。
各都道府県の選手団に拍手を送り、侍従を通じて「選手たちの生き生きとした表現など趣向の凝らされた総合開会式を楽しみました。新しい大会にふさわしい総合開会式にしようと取り組まれた関係者のみなさんの熱意を感じました」との感想を発表した。
山口祥義知事は5日夜の記者会見で、両陛下と佐賀のゆかりについてのエピソードを披露。1949年、戦後の地方巡幸で昭和天皇が来県した際、日清製粉鳥栖工場を案内したのが上皇后美智子さまの父で日清製粉創業家の故正田英三郎氏だったという。
さらに、両陛下とも母方の曽祖父母が佐賀出身だといい、知事は「不思議なご縁があると感じました」と話した。
両陛下は6日午前にSAGAアリーナ(佐賀市)でバレーボール成年女子の試合を観戦。案内した日本バレーボール協会の川合俊一会長によると、陛下からは「ジャンプサーブ」についての質問があり、雅子さまは多忙な川合会長の体調を気遣っていたという。
昼食時に立ち寄った白石町の福富ゆうあい館では、町おこしに関わる地元の高校生や農業従事者に声をかける場面も。日ごろの活動や町の魅力を尋ねた。
駅には地元の祭りで観光案内に活躍する「子ども街並みガイド」の小学4年生や若手蔵人が集まっており、それぞれ町の歴史や鹿島の酒の特徴などを説明。両陛下は熱心に聴き入っていた。