東京・臨海副都心の新たな観光名所として、東京都は、お台場海浜公園(港区)に世界最大級の噴水「ODAIBAファウンテン(仮称)」を整備する。財源について都は25日の都議会代表質問で、埋め立て地売却などの収入を充てるとし「都民の税金は一切使わない」と説明した。都の観光振興策を巡っては、2年間で約48億円を投じる都庁舎などのプロジェクションマッピングに続く事業だとして「巨額を投じるのはやめるべきだ」などの批判も上がった。
◆「ソメイヨシノ」をモチーフに
都港湾局によると、噴水の整備費や維持管理費は精査中。公園内の水域に高さ150メートルの噴水と、都の花である「ソメイヨシノ」をモチーフにした横幅250メートルの噴水を組み合わせる。レインボーブリッジや東京タワーの景観を背景に、音楽と光で演出する噴水ショーを展開し、国内外にアピールするという。完成は来年度末の予定。
財源をただした大松成議員(公明)らの質問に、松川桂子港湾局長は「臨海副都心の魅力をさらに磨き、一層のにぎわいを創出することは地域の発展に重要。一般会計ではなく、埋め立て地売却などによる収入を財源とする臨海地域開発事業会計を活用する」と述べた。
◆「暮らしの支援にお金を使ってほしい」
戸谷英津子議員(共産)は、プロジェクションマッピングに「暮らしの支援にお金を使ってほしい」などの批判があり、噴水についても「整備や維持管理費を示さずに造るのが許されるのか」と指摘した。(奥野斐)