投じた票「見誤った」 兵庫知事の対応、県民からは憤りの声(2024年9月19日『毎日新聞』)

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不信任決議案への賛成票だけが入った投票箱=神戸市中央区で2024年9月19日午後5時半、滝川大貴撮影
 兵庫県の斎藤元彦知事(46)らによるパワーハラスメントなどの疑惑が文書で内部告発された問題で、県議会(定数86)は19日午後、斎藤氏への不信任決議案を全会一致で可決した。斎藤氏は10日以内に議会の解散か失職・辞職かの判断を迫られる。
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【写真】全会一致で不信任決議可決 斎藤知事の表情
 斎藤氏は2021年知事選で自民党日本維新の会の推薦を受け、約86万票を得て初当選した。一連の問題での県政の停滞に加え、進退について結論を先送りする知事に対し、県民から厳しい声が相次いだ。
 兵庫県宝塚市の男性会社員(48)は「潔く辞めてもらうのが一番いい。多くの県民はあきれ返っている。本来、必要ない県議選や知事選が行われると、多額の税金が使われる」と怒りをあらわにした。「疑惑浮上後の説明は『記憶にない』など言い訳ばかりで、真摯(しんし)に向き合っているように思えない」と続け、期待を込めて一票を投じた斎藤氏について「見誤った」と切り捨てた。
 同県豊岡市の衣料小売業の男性(53)は「議会の判断は当然。自分を推した自民や維新からの辞職プレッシャーをはねのけ、知事職にこだわる理由が分からない」と首をひねる。さらに「出直し知事選に出れば、ようやく県民も政党も支持していないことが分かるだろう。トップとして広く声を聞くバランス感覚が欠如している」と憤った。
 同県西脇市の主婦(41)は「3年前に初当選した時は若さや改革への姿勢に期待していたのに残念だ。早くこの問題を収束させ、知事も県議会も他にやるべきことをやってほしい」と注文を付けた。【土居和弘、浜本年弘、村元展也】