紀子さま58歳に 「自分の道を切り開いていってくれたら」悠仁さまの進路に「熱心」になられた瞬間(2024年9月11日『AERA dot.』)

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子どもたちとともに「リズム遊び」を体験し、笑顔をみせる秋篠宮紀子さま=2024年7月18日、岐阜市のぎふ木遊館、代表撮影
 秋篠宮妃、紀子さまが11日、58歳のお誕生日を迎えられた。秋篠宮家の長男、悠仁さまは6日に18歳の「成人」となられたばかりで、現在、筑波大学付属高校3年生でその進路に大いに注目が集まっている。紀子さまのお誕生日に際して出される文書にある悠仁さまへの記述から、紀子さまの思いや教育方針などを読み解く。
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 令和に入ってから、紀子さまはお誕生日になると、「秋篠宮皇嗣妃殿下お誕生日に際し」という文書で、一年間の出来事を振り返ったり、その思いをつづられたりしている。紀子さまのいまのお気持ちがよくわかるものだ。
 なかでも丁寧につづられているのは、3人の子どもたちの様子や子育てにおいてのお考えだ。現在、筑波大学付属高校3年生の悠仁さまに関しては特にきめ細やかで、悠仁さまの普段の様子も垣間見える。
 令和にお代替わりし、皇嗣妃殿下となって初めての2019年のお誕生日には、〈皇位継承順位2位となられた悠仁さまの学校や家庭での様子,今後の進路について,初めての外国旅行となったブータンでのエピソードと共にご紹介ください。〉という質問にこう答えられている。
「長男の悠仁は,今年の3月に小学校を卒業し,4月から中学校に入学しました。中学校でのいろいろな活動や課題に積極的に取り組んでいる一方で,家では,稲や野菜を栽培し,トンボについて調べています。たとえば,野菜を育てるときは,肥料を与えたり,雑草を取ったり,受粉させたりして,収穫量を増やすなど,さらなる工夫をしています」(令和元年「秋篠宮皇嗣妃殿下お誕生日に際し」より)
 この年の4月に悠仁さまは、お茶の水女子大学附属小学校からそのまま中学校に入学された。このときの紀子さまの文書にもあるように、「トンボ」の話題も出てきている。
 また、8月16日から25日、秋篠宮さまと紀子さま悠仁さまのご家族3人で私的旅行という形でブータンを訪問されている。悠仁さまにとって初の海外訪問だった。このときの様子も、紀子さまは丁寧につづられている。
ブータンでは,国王王妃両陛下,4代国王陛下・王妃陛下方をはじめ,王族の方々より,大層あたたかくお迎えいただきました。訪れた先々で,長男は人々との出会いを大事にしている様子が感じられ,首都ティンプーやパロの博物館や寺院,弓技場,学校などでのお話を興味深く聞き,英語での説明も懸命に理解しようとしていました。そして,標高3500メートルにあるジェラでの牧畜の様子や,標高1300メートルにある古都のプナカにおける農業にもふれ,ブータンの自然や文化を全身で感じたように思います」(令和元年「秋篠宮皇嗣妃殿下お誕生日に際し」より)
 そして、進路に関しては、紀子さまは「今後の進路につきましては,こうした様々な経験を重ね,関心を広げるなかで,考えていくことになるのではないでしょうか」とも。中学生になられたばかりの悠仁さまの興味の引き出しを母として見守るようだった。
 20(令和2)年は、コロナの感染拡大で悠仁さまの通われる学校も休校しオンライン授業に。そして、本格的「トンボ」の調査を進めていることを紀子さまは明かしている。
「自宅学習の期間中など,自分で計画を立てて過ごす時間が増えました。昨年に引き続き,赤坂御用地内においてトンボの調査を進めています。短い夏休みの間も,時間や場所を決めて几帳面に観察し,折にふれて父親にも相談しながら調査をしていました。また,夏休み中は,学校の課題などに取り組むほか,学校の図書室から紹介された本や自宅にある本を読んでいました」(令和2年「秋篠宮皇嗣妃殿下お誕生日に際し」より)
 そして、21(令和3)年、悠仁さまは中学3年生になって、この当時もどこの高校に進まれるのか話題になっていた。高校受験生の悠仁さまの様子をこう紀子さまはつづられている。
「中学校の最終学年になり,学習への意欲がさらに増したようで,試験があるとそれに向けて計画をたてて,それぞれの教科の学習に積極的に取り組んでいました。そして,今年の夏休みも,各教科の課題を熱心に進めていました」(令和3年秋篠宮皇嗣妃殿下お誕生日に際し」より)
悠仁さまの様子を細かく
 悠仁さまが筑波大学付属高校1年生になった22(令和4)年の紀子さまの文書にも変化が。
 悠仁さまの様子に関して、<学校生活の様子><日常生活の様子〉<大学進学や留学など将来に期待すること><教育方針>と4項目を分けて細かくつづられている。次女の佳子さまの様子についてが603文字で、悠仁さまは994文字と、その熱量にもやや差がある。皇位継承順位2位の悠仁さまの様子を国民に知らせたいという、母・紀子さまの思いだったのかもしれない。
 現在、悠仁さまの進路先には、東京大学筑波大学東京農業大学玉川大学スタンフォード大学など様々な大学名が噂されるが、高校1年生の時点で紀子さまはこうつづられている。
「長男には、国内外において様々な分野で学ぶ人々や社会で働く人々とも交流し、広い視野で世界を見ていけるようになってほしいと思っております。そうした中で、自分のテーマを見つけ、探究しながら、自分の進む道を拓いていってくれればと考えております」(令和4年秋篠宮皇嗣妃殿下お誕生日に際し」より)
“自分の進む道を切り拓いていってほしい”というわが子に対する紀子さまの思いは、世の中の母の願いと同じだろう。(AERA dot.編集部・太田裕子)
太田裕子