自民総裁選【9月10日の動き】加藤氏が会見 上川氏は立候補表明(2024年9月10日『NHKニュース』)

告示を2日後に控えた自民党総裁選挙。10日は加藤元官房長官が記者会見し、公約を説明しました。上川外務大臣は推薦人20人の確保にメドが立ったとして、立候補することを表明しました。

ほかの立候補予定の議員はあいさつ回りをするなど、支持拡大に向けた取り組みを続けています。10日の動きを随時更新でお伝えします。

加藤氏「最優先は国民の所得倍増」 

加藤氏は総裁選挙に立候補するにあたって国会内で記者会見し、国民の所得倍増を最も重要な政策と位置づけ、強い覚悟を持って取り組む決意を示しました。

この中で加藤氏は「最優先で推し進めたいことは国民の所得倍増だ。これ以上に重要な政策はない。待ったなしで強い覚悟で取り組み、国民の豊かな生活を実現し、短期間で必ず成果を出す」と述べました。

その上で、政治とカネの問題を受けて党改革や政治資金改革を断行するとして、それぞれの議員に対し説明責任を果たすよう働きかけを徹底するとともに、党として収支報告書への不記載額に相当する金額を国庫に返納する手続きを検討する考えを明らかにしました。

上川外相 立候補を表明 11日記者会見へ 

上川外務大臣は10日午後、議員会館で自身を支持する議員との会合に出席しました。

冒頭、上川氏は「20人の推薦人が集まり、今回の総裁選挙に立候補することができる」と述べ、20人の推薦人の確保にメドが立ったとして、立候補することを表明しました。

その上で「全国に『日本初の女性総理大臣を』という声が沸き起こるよう、精いっぱい活動を展開していくので、一緒に『チーム陽子』として押し上げていただくようお願いします」と協力を呼びかけました。

総裁選挙には初めての挑戦で、11日記者会見を開いて決意を表明するほか、掲げる政策などを発表することにしています。

茂木氏「国土強じん化を進めなければならない」 

茂木幹事長は山形県酒田市を訪れ、ことし7月の記録的な大雨で浸水被害を受けたコメの乾燥貯蔵施設などを視察しました。

そして地元の農業関係者らから、水田や農機具などの損害が大きく経営意欲を失っている農家もいるとして、継続的な財政支援を求められたのに対し「安心して営農できる体制を一日も早くつくるため、最大限の対応をしたい」などと応じていました。

このあと茂木氏は記者団に対し「日本では大きな自然災害が頻発している。『農は国の基』であり、国土の強じん化をいっそう進めなければならないという思いを強くした。稼げる農林水産業をつくることや、中山間地域への支援策の拡充も行っていきたい」と述べました。

高市氏「今度こそ勝ってやるという気持ち」 

高市経済安全保障担当大臣は、党所属の国会議員の事務所にあいさつ回りを行いました。

このうち同じ奈良県連所属の佐藤啓参議院議員の事務所では、佐藤氏から「すばらしい熱のこもった表明会見でした。頑張りましょう」と声をかけられると、「うれしいです。ありがとうございます」と笑顔で応じていました。

このあと高市氏は記者団に対し「1票、1票とても重たい大切な票だ。支援の輪を広げて『今度こそ勝ってやる』という気持ちで一生懸命やる」と述べました。

一方、衆議院の解散時期について考えを問われたのに対し「衆議院議員の任期があと1年あることは重く考えなければならない。その中で国民に信を問うべきタイミングがあればその時に解散をする」と述べました。

小泉氏「覚悟を持って改革プラン進める」 

小泉進次郎氏は横浜市役所で党所属の市議会議員30人余りと面会し、総裁選挙での支援を求めました。

このあと小泉氏は記者団に対し「覚悟を持って国民の信頼のもとに改革プランを進め、政治の信頼回復に努めるという思いが1人でも多くの方々に届くようにしたい。これから1票でも多く積み上げ、良い結果が導けるよう先頭に立って頑張りたい」と述べました。

石破氏 “防災庁の設置 早急に実現したい” 

石破元幹事長は午前、国会内で全国知事会の副会長を務める鳥取県の平井知事と面会し、大規模災害への対策強化や、子ども子育て政策のための安定的な財源の確保などを求める提言を受け取りました。

このあと石破氏は記者団に対し、「提言の防災対策は私が主張する『防災庁』の設置とほとんど同じ趣旨だ。新政権では全国知事会との連携を今まで以上に密にし、早急に実現したい」と述べました。

齋藤氏「推薦人が何人集まったかは答えない」 

齋藤経済産業大臣閣議のあとの記者会見で総裁選挙の立候補に必要な推薦人の確保状況を問われたのに対し、「推薦人が何人集まったかなどについては答えないことにしている。結果が出た時に話したい」と述べました。

麻生氏「主役も決まらず配役もそろっていない」 

自民党の麻生副総裁は都内で開かれた会合であいさつし、総裁選挙をめぐり「告示を前に5人も10人も立候補を表明する人が出るという騒ぎになっている。今までの総裁選挙はだいたい幕が上がったら芝居は終わっていた。ところが今回は幕が上がりつつあるが、芝居がどうなるかもわからないし、主役も決まらず配役もそろっていない状況だ。政権が不安定にならないよう頑張らないといけない」と述べました。

保守団結の会「保守政党しっかり打ち出す選挙に」 

自民党の議員グループ「保守団結の会」は党本部で会合を開き、総裁選挙に向けた提言を発表しました。

この中では皇位継承について、女系天皇を認めず男系を堅持することや家族の姓については国民は通称使用を望んでいるとして普及を進めるよう求めています。

代表世話人を務める高鳥修一衆議院議員は「今の自民党は『岩盤保守層』からの支持が相当離れてしまっており、危機感を感じている。保守政党であることをしっかり打ち出す総裁選挙にすべきだ」と述べました。

グループにはおよそ60人の議員が所属し、顧問を務める高市経済安全保障担当大臣を支持する議員がいる一方、小林鷹之氏を支援する議員もいて、保守系議員の票が分散するという見方も出ています。

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