立憲民主党代表選告示(2024年9月7日)

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立憲代表選告示 野田、枝野、泉、吉田の4氏が立候補 23日投開票(2024年9月7日『毎日新聞』)
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立憲代表選に立候補を届け出た(左から)野田佳彦氏、枝野幸男氏、泉健太氏、吉田晴美氏
 立憲民主党の代表選が7日告示され、野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4氏が立候補を届け出た。次期衆院選での野党間連携のあり方のほか、政権交代に向けた経済やエネルギー、外交・安全保障など主要政策に対する姿勢が争点となる。23日に投開票される。
 代表選は、泉氏の代表任期が9月末で満了することに伴うもの。党所属の国会議員、国政選挙の公認候補予定者、地方議員、党員・サポーターに割り当てられた計740ポイントを争う。1回目の投票で過半数のポイントを得た候補がいない場合、上位2人の決選投票に進む。
 選挙期間は17日間で党の規則上最も長く、同じ方式で実施された前回2021年の代表選の12日間を上回る。候補の討論会などがほぼ連日予定され、選挙期間を十分にとることで、党員以外にも政策論争をアピールする狙いがある。【源馬のぞみ、中村紬葵、安部志帆子】

立憲民主党代表選に4人出馬、野田佳彦元首相・枝野幸男前代表・泉健太代表・吉田晴美議員(2024年9月7日『読売新聞』)
 
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立憲民主党代表選が告示され、記者会見に臨む(右から)野田佳彦・元首相、枝野幸男・前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員(7日午前、東京都千代田区で)=若杉和希撮影
 立憲民主党代表選が7日午前、告示され、野田佳彦・元首相(67)、枝野幸男・前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4人が立候補を届け出た。次期代表は23日に東京都内で行われる臨時党大会で選出される。
吉田晴美氏が立憲民主党代表選に出馬へ…江田憲司氏は立候補断念し吉田氏支援
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立民代表選、野田・枝野・泉・吉田4氏が立候補届け出(2024年9月7日『日本経済新聞』)
 
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立憲民主党代表選に立候補した泉、枝野、野田、吉田の4氏(左から五十音順)
 
立憲民主党の代表選が7日午前、告示された。現職の泉健太代表、枝野幸男前代表、野田佳彦元首相、吉田晴美氏が立候補を届け出た。23日に投開票する。次期衆院選での野党連携のあり方など政権交代に向けた道筋をどう示すのかが争点となる。
4候補の陣営は党所属の国会議員20人以上の推薦人名簿など立候補に必要な書類を提出し受理された。届け出は野田、枝野、泉、吉田各氏の順だった。源流の民主党時代を含め、吉田氏の代表選への出馬は初めて。
代表選は泉氏の任期満了に伴う。自民党も12日告示―27日投開票の日程で総裁選を実施し、選挙期間が重複する。立民代表選の候補者らは自民党の派閥の政治資金問題への対応が不十分だとして政治改革の推進や政権交代を訴える見通しだ。
①国会議員と国政選挙の公認候補予定者、②地方議員、③党員・協力党員――が投票権を有する。それぞれ50%、25%、25%の比率になるよう計740ポイントを配分する。国会議員は公認候補予定者の2倍のポイントを持つ。
1回目の投票で過半数をとった候補者がいなければ決選投票に進む。国会議員、公認候補予定者、各都道府県連の代表者が投票する。

立民代表選、吉田晴美氏も出馬へ 江田憲司氏陣営と一本化 計4人の争いに(2024年9月7日『産経新聞』)
 
 
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立憲民主党の吉田晴美衆院議員
立憲民主党代表選への立候補を模索してきた江田憲司元代表代行(68)と吉田晴美衆院議員(52)は7日午前、国会内で会談し、両陣営で候補を一本化して吉田氏が出馬することで合意した。両陣営はいずれも立候補に必要な推薦人20人の確保が難航していた。
既に出馬の意向を表明している枝野幸男前代表(60)、野田佳彦元首相(67)、泉健太代表(50)と合わせ、候補者は計4人となる見通しだ。
代表選は7日告示、23日投開票の日程で行われる。

【立民代表選】実効性ある政策論議を(2024年9月7日『福島民報』-「論説」)
 
 立憲民主党代表選がきょう7日に告示される。次期代表は、政権交代への資質と力量がかつてなく試される。党所属議員、党員、協力党員にとどまらず、国民の支持を広く得られる政策を論じるべきだ。
 泉健太代表は6日の記者会見で、派閥の裏金事件を起こした自民党に対し「レッドカードを突き付けて退場させなければならない」と再選への意欲を示した。野田佳彦元首相は「政権交代こそが最大の政治改革だ」と強調し、枝野幸男前代表は「自民党に代わる国民政党に進化する」と語っている。
 先の通常国会立憲民主党は、裏金事件の真相と自民党総裁としての岸田文雄首相の責任を繰り返し追及した。政治資金規正法の改正審議で自民党案は抜け穴だらけだと批判し、実効性のある改革を迫ったものの攻め手を欠いた。
 内閣支持率は危険水域とされる20%台に続落し、連鎖して自民党政党支持率も低下した。一方で、立憲民主党の支持率は必ずしも伸びたとは言えない。岸田首相が退陣を決断したのは、立民ほか野党が追い詰めた結果というより、厳しい世論を受けた自民党内圧力の帰結だろう。
 自民党総裁選に名乗りを上げた立候補予定者は、政策活動費の廃止など、野党の株を奪う公約も掲げている。立民に本気で政権を奪う覚悟があるなら、国民の期待を背負えるだけの政治改革の対抗軸をきちんと示す必要がある。
全保障、防衛増税、人口減、少子化対策など国の存立に関わる問題は山積している。政治改革は、国会や政治への信頼を取り戻して重要政策を推進する前提でもある。ただ、政治改革の一点で政権を取れるほど世論の要請は単純ではないはずだ。国内の政治課題や国際社会の難局にどう対処するかも、明確に打ち出すべきだ。
 泉氏は推薦人集めに最後まで苦心した。江田憲司元代表代行と吉田晴美衆院議員を巡っては、擁立の動きが最終局面まで続いた。泉氏には現代表としての自負がある。党内には、多様な人材をそろえなければ、自民党総裁選に埋没しかねないといった危機感もあるようだ。そんな余念に代表選が浮き足立てば、支持や理解は広がるまい。党の正念場と捉えた真摯[しんし]な論戦が求められる。(五十嵐稔)

立憲民主代表選 政権交代の意義を示せ(2024年9月7日『東京新聞』-「社説」)
 
 立憲民主党の代表選が7日に告示される。自民党派閥の裏金事件を受け、自民政権の継続を望まない世論が以前よりも高まる中での代表選びだ。政権交代でしか実現できない社会の変革と、政権獲得までの道筋を示し、自民に不満を持つ同党支持層も引きつける論戦となるよう望みたい。
 代表選にはすでに枝野幸男前代表(60)、野田佳彦元首相(67)が立候補を表明。泉健太代表(50)も出馬への最終調整を行っており、ほかにも立候補の動きがある。
 自民は総裁選で次期衆院選や来夏の参院選を念頭に「選挙の顔」を選ぼうとしているが、立民代表選に求められるのは、各候補者が目指す理念や社会像、それを実現するための政策について堂々と訴え、議論を深めることだ。
 立民内で、枝野氏はリベラル寄り、野田氏は保守寄りとされる。立ち位置の違いはあるが、出馬会見ではいずれも「自民を支持しながら怒っている人を含め、幅広い民意を包み込む」(枝野氏)「自民に失望した保守層を巻き込む」(野田氏)などと強調した。
 立民は今、政党支持なし層に加え、自民に不満を持つ層にも幅広く訴えかける好機にある。
 立民が政権の座に就いたら自民政権とは政策がどう違うのかだけでなく、裏金事件への誠実な反省が見られない自民とは違うクリーンさ、派閥の論理に染まらない党運営、大企業ではなく生活者の立場を重視する政策など、訴えるべきことはいくつもある。
 政策とともに避けて通れないのが他党との連携を巡る議論だ。
 連合を支持母体とする国民民主党との合流を目指すのか。野党第1党の座を争うであろう日本維新の会との協力を深めるのか。共産党との距離感をどうするのか。
 立民単独で衆院過半数議席を得る見通しが現段階では立っていない以上、他党との連携の方向性を示さねば、政権交代は現実味を帯びて伝わってこない。
 自民政権の継続を望まない一方で野党中心の政権にも不安を感じる層に訴えかけるには、政権の枠組みを具体的に示すことは欠かせない。
 立民代表選は、40代や女性を含めて過去最多の5人を超える争いとなる見通しの自民総裁選に比べて新味に乏しいとしても、活発な議論を通じて、自民とは違う政党の姿や存在意義を示してほしい。

立憲民主代表選 政権交代見据えた論戦を(2024年9月7日『西日本新聞』-「社説」)
 
 立憲民主党の代表選がきょう告示される。岸田文雄政権の支持率が低迷する中での野党第1党のリーダー選びだ。政権交代を見据え、国民の耳目を集める論戦を展開してもらいたい。
 前代表の枝野幸男氏、元首相の野田佳彦氏が早々に立候補を表明し、現代表の泉健太氏も告示直前にようやく立候補の準備が整った。
 今月は事実上の次期首相を決める自民党総裁選もあり、現総裁の岸田首相の後任に多数が名乗りを上げている。国民にとっては、与野党第1党が目指す国家像や政策が比較できる好機だ。
 野党第1党は、常に「次の政権」を担う存在でなくてはならない。
 政権の政策や予算を厳しくチェックし、問題点に対案を出して競い合う。政権が行き詰まれば、いつでも取って代われる。こうした役割が国民に評価されれば、政治に良い緊張感が生まれる。
 現状はどうか。立民の源流である旧民主党が政権奪取から3年余りで下野して以来、与党の議席数に大きく水をあけられた状態が続く。
 旧民主勢力は分裂と合流を繰り返し、政権交代の期待を高められないままだ。新代表には弱い野党から脱却する指導力が欠かせない。
 政権を担うのであれば、社会保障、経済、安全保障など幅広い分野の政策を示すのは当然だ。自民、公明両党の連立政権では解決できない課題への対策も求められる。
 中でも、自民派閥の裏金事件に象徴される政治資金の問題は国民の関心が高い。
 岸田氏は裏金事件の真相究明に踏み込まないまま関係者を処分した。与党主導で改正した政治資金規正法には「抜け穴」が温存されたままだ。
 総裁選に立候補を表明した議員も、裏金事件の再発防止策や政治資金改革への踏み込みが甘い。これも自民が長きにわたって政権に安住し、緊張感が失われていることの表れだろう。
 多くの国民が与党の対応は不十分とみている。立民には「政治とカネ」の現状を変える具体策が必要だ。
 野田氏は、企業・団体献金や政策活動費の禁止を実現すると主張する。枝野氏は、政治資金パーティーの収支を1円単位で公開することを公約した。カネをかけない政治活動を追求してほしい。
 自民の新総裁は首相に就任してすぐに、衆院の解散・総選挙に打って出る可能性がある。本来の政権選択選挙の意義に照らせば、立民代表選も首相になり得る候補を選ぶ機会である。
 共同通信社の7月の世論調査では、次期衆院選の望ましい結果として「与党と野党の勢力が伯仲する」が51・2%で最も多かった。
 1人しか当選しない小選挙区で野党候補が乱立すれば勝ち目は薄い。候補者の一本化を含め、野党連携への道筋も新代表に問われる。