論点整理では、自衛隊を9条の2に位置付ける従来の方針を「基本的に堅持すべきだ」とした。党は2018年にまとめた条文案で9条の1項、2項は維持した上で9条の2を新設するとしていた。条文の文言は引き続き議論する。
緊急事態の発生時に内閣が法律に代わって「緊急政令」を出せるようにするため、根拠規定を憲法に定めることも確認した。党内には緊急事態時の議員任期延長の改憲を優先すべきだとの意見があり、同時に進めるかは引き続き議論する。
◆「越権行為と思う候補はいるかも」
論点整理は、首相が総裁選不出馬を表明する直前、8月7日の会合で指示していた。退陣する総裁が今後の議論の方向性を規定する形になり「越権行為と思う総裁候補はいるかもしれない」(中堅)との指摘もある。一方、改憲は自民党の党是で、総裁選の争点の一つとなる見通しだ。
総裁選への立候補を表明している石破茂元幹事長は記者団に対し、論点整理の内容に「賛成する」と述べたが、持論の「9条2項削除」は引き続き主張するとした。(井上峻輔)