災害が激甚化している。高齢化や地方の過疎化が進むなか、防災は社会の変化に即した対応を迫られている。
強い勢力を保って上陸した台風10号は、各地で大きな暴風雨による被害をもたらしている。
地球温暖化を背景に、近年は大規模災害のリスクが増大した。
日本損害保険協会によると、1970年以降の火災保険の支払額上位10件のうち7件がこの10年で発生した風雪水害だ。
こうした中で、市民の防災意識は高まっている。
危機意識の高まりを一時的なものに終わらせず、日ごろの心構えと行動につなげることが肝要だ。鍵を握るのは防災訓練である。
大災害では警察や消防などによる支援や救助が遅れる恐れがある。地域住民で支え合う「共助」が欠かせないが、都市部では近隣との交流が乏しい。地方では防災の担い手が減っている。
訓練を重ねることで住民同士が協力しあい、災害弱者を守るコミュニティーを作ることが大切だ。
きょうは防災の日である。備蓄や避難経路を確認するだけでなく、子どもから高齢者まで、人のつながりの大切さを再確認する契機としたい。