■台風10号 世界各国の予想が次第にそろい始める
台風10号は、25日未明には小笠原近海にあって北北西へと向かっています。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は35m/sで暴風域を伴っています。
気象庁進路予想(JMA)
台風の進路予想図で示されている白い円の大きさは「予報円」で、台風の中心が到達すると予想される範囲を示しています。 予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%です。 円が大きくなっているからといって台風が大きくなることを意味するものではなく、予報のバラツキを表しています。
これまでに比べると四国の南の海上に達するまでの予報円はだいぶ小さくなりました。予想が定まってきていることを示しています。
台風が進む予想となっている海域の海水温度が30℃前後と非常に高いことや、鉛直シアは小さく台風の発達を妨げるような上空の風の場とはなっていないため発達しながら四国の南の海上に達する頃には「非常に強い勢力」となる予想です。
27日(火)以降は、進路を北東へと向きを変える予想です。向きを変えたあとの予報円はまだ大きめですが、四国から近畿地方に上陸する可能性が高まってきています。
【画像で確認】台風10号列島縦断か 30日(金)までの大雨・暴風・高波シミュレーション
では、アメリカやヨーロッパなど海外予報機関の進路予想なども参考に進路の定まり具合を見ていきましょう。
■アメリカの予報機関 四国・近畿を直撃する予想データが多く
アメリカ海軍進路予想(JTWC)
アメリカ海軍の進路予想では、傾向は気象庁と大きく変わりません。四国の南の海上までは北西方向へと進んできて、その後、北東よりに進路を変えて28日(水)に四国または近畿あたりを直撃する予想となっています。最大風速をみると上陸する直前に四国の南海上に達したあたりで勢力が最も強くなっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
【画像で確認】台風10号列島縦断か 30日(金)までの大雨・暴風・高波シミュレーション
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
■ヨーロッパの予報機関も四国・近畿を直撃するデータ多く
ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予報結果です。他のモデルと同様に四国の南の海上まで北西方向へと進んだのち、進路を北東寄りに変えて日本列島に上陸する予想となっています。ヨーロッパモデルでも四国から近畿あたりを直撃する予想データが多くなってきました。
■気象庁の別モデルによる雨・風シミュレーション 近畿・東海を直撃も
気象庁の進路予想やアメリカ・ヨーロッパなど海外モデルの予想をみると、非常に強い勢力となって四国の南の海上まで達して、その後、北東方向へ向きを変えて28日ごろに四国または近畿を中心に上陸する傾向はそろってきています。27日後半から28日にかけて台風による大荒れの天気は避けられない状況です。今後の台風情報に十分注意してください。
【画像で確認】台風10号列島縦断か 30日(金)までの大雨・暴風・高波シミュレーション
※正式な台風に関する予報については気象庁が発表する情報を確認してください。