’24平和考に関する社説(2024年8月11・12・13日『毎日新聞』-「社説」)

’24平和考 終戦の日 暴力許さぬ世界の構築を(2024年8月16日『毎日新聞』-「社説」)
 
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ロシアのウクライナ侵攻を非難するデモの参加者=オスロで2022年2月26日、横山三加子撮影
 世界各地で硝煙が絶えない中、79回目の終戦の日を迎えた。新たな世界大戦を招いてはならない。人類の英知を結集する時だ。
 
 眼前には目を覆うような光景が広がる。ロシアのウクライナ侵攻は長期化し、パレスチナ自治区ガザ地区の人道危機が極まる。スーダンなどでは内戦と飢餓が続く。
 オスロ国際平和研究所によると、世界の紛争は2023年に59件を数え、1946年以来、最多を記録した。世界は「『混沌(こんとん)の時代』に入りつつある」(グテレス国連事務総長)状況だ。
 「ポスト冷戦時代は世界的な戦争リスクの高まりとともに終わりを迎えようとしている」。アメリカン・エンタープライズ研究所上級研究員のハル・ブランズ氏は「世界戦争の足音」に警鐘を鳴らす。
強まる「戦間期」の様相
 第一次世界大戦から第二次大戦にかけての戦間期、三つの危機が同時進行した。ドイツのポーランド威圧、イタリアのエチオピア侵攻、日本の中国東北部支配である。約1世紀後の今、欧州と中東で「二つの戦争」が続き、アジアで緊張が高まる。様相は似通う。
 第一次大戦後、戦争のない「黄金の時代」の到来を予想した日本の外交官がいた。侵略戦争全廃のためのジュネーブ議定書の交渉に関わり、後に常設国際司法裁判所の所長となる安達峰一郎だ。だが、世界は再び大戦に突入した。
 いま懸念されるのは当時同様、国際法の規範が揺らいでいることだ。国連安全保障理事会は機能不全状態である。常任理事国のロシアが国連憲章を踏みにじって隣国侵略を続け、イスラエルのガザ攻撃を前になすすべもない。
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深刻な水不足の中、貴重な飲料水を入手するため、配水車の前で行列を作るパレスチナ自治区ガザ地区の住民=NPOクリーン・シェルター提供
 既存秩序にあらがう新興国が「帝国化」の動きを見せているのも共通している。第二次大戦では領土拡張主義のスローガンが使われ、ドイツが「東方生存圏」、日本が「大東亜共栄圏」の建設を掲げた。
 プーチン大統領はロシア語と正教の文化圏「ロシア世界」を戦争遂行に利用し、「中国式現代化」を推進する習近平国家主席が目指しているのは、米欧主導ではない「多極世界」の形成だ。
 世界の分断が深まる中、3度目の大戦を回避するための危機管理の枠組みを作る必要がある。国際社会は安保理改革や国際法廷の権限強化に知恵を絞るべきだ。
 紛争や貧困から個人を守る「人間の安全保障」の点では、市民社会が果たす役割も大きい。
 ロシアで真っ先に声を上げたのは女性だった。作家のダリア・セレンコさん(31)らが侵攻開始直後に「フェミニスト反戦レジスタンス」を設立し、抗議運動やウクライナ難民らの支援に取り組む。
 ロシア国内ではLGBTなど性的少数者を守る運動が禁止され、人工妊娠中絶への規制が強まる。「戦争と、女性への暴力は常にセットになっている」。ジョージアに脱出したセレンコさんが訴える。
 ガザにトイレや飲料水を提供するのも2人の女性だ。ドイツ在住のパレスチナ人、セバ・アブダカさん(42)とイスラエル人、トム・ケルナーさん(41)がNPO「クリーン・シェルター」を作った。
 アブダカさんは「危機で最も脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれる女性たちを暴力から守りたい」、ケルナーさんは「行動することが大事」と話す。
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パレスチナ自治区ガザ地区の避難民キャンプではトイレなどの設置が進められている=NPOクリーン・シェルター提供
立ち上がった女性たち
 「暴力を拒否するフェミニズム運動は平和運動と親和性が高い」とロシア文学者の沼野恭子・東京外国語大名誉教授は指摘する。女性の政治参加が進む国は紛争リスクが低いとの研究結果もある。
 内戦と大虐殺をくぐり抜けたルワンダでは女性が民族和解と国造りの原動力となった。今では、下院議員の6割超を女性が占める「女性活躍先進国」である。
 福島市に住むルワンダ出身の永遠瑠(とわり)マリールイズさん(58)は「日本では平和を当たり前と思う人が多い」と心配する。終戦記念日に合わせ、日本とアフリカの若者による平和集会を祖国で企画した。
 「独裁は伝染する。離れたロシアで何が起きているかに目を向けることが大切だ」とのセレンコさんの言葉に耳を傾けたい。
 女性議員を増やし、声を政治に反映させる。少数派の権利が守られ、誰もが安心して暮らせる包摂的な民主社会を作る。「戦争を起こさない」ための第一歩である。
 暴力をなくし、世界を「混沌の時代」から「黄金の時代」に近づける。市民一人一人の力は限られていても、理想に向けて行動すれば、大きなうねりとなるはずだ。

’24平和考 パリ五輪閉幕 祭典の理想求め続けたい(2024年8月13日『毎日新聞』-「社説」)
 
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日没に合わせて上空に浮かび、街を照らしたパリ五輪の聖火=パリで2024年7月28日、平川義之撮影
 平和の祭典としての存在意義が問われた大会だった。世界の分断や対立が影を落とす中、パリ・オリンピックが17日間にわたる熱戦に幕を下ろした。
 「花の都」の華やかさとは裏腹に、中東やウクライナでは今も戦火が絶えない。国連総会が決議した「五輪休戦」は実現せず、状況はむしろ悪化の一途をたどった。
 開幕直前には、パリでもパレスチナへの連帯を示すデモ隊と親イスラエルの団体が衝突する事態が発生した。
 イスラエルの選手に対して殺害を予告する脅迫メールが届き、厳重な警備態勢が敷かれた。1972年ミュンヘン五輪時のようなテロを警戒してのことだ。
 ウクライナ侵攻を続けるロシアと同盟国のベラルーシは、国としての出場を禁じられた。
 侵攻を積極的に支持しないなどの条件を満たす「中立選手」に参加資格が与えられた。だが、国際人権団体からは、半数余りが「中立の基準を満たしていない」と非難する声が上がった。
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体操男子団体決勝で鉄棒の演技を終え、盛り上がるスタンドに対し、静かにするよう促す橋本大輝選手=ベルシー・アリーナで2024年7月29日、玉城達郎撮影
相次いだSNSの中傷
 デジタル化の進展で深刻さを露呈したのが、SNS(ネット交流サービス)による中傷である。アスリートが精神的に追い詰められるケースも目立った。
 柔道女子52キロ級で敗れた後、人目をはばからず号泣した阿部詩選手や、メダルを逃したバレーボール男子の日本代表らに対し、心ない投稿が繰り返された。
 日本オリンピック委員会が声明を発表し、「侮辱、脅迫などの行き過ぎた内容に対しては、警察への通報や法的措置も検討する」と警告したほどだ。
 結果はどうであれ、五輪の舞台に向けて努力を重ねてきたアスリートには敬意を払うべきだ。人格を否定するような投稿は決して許されない。
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柔道男子60キロ級準々決勝、スペインの選手に一本負けを喫し、判定に納得がいかず両手を広げる永山竜樹選手=シャンドマルス・アリーナで2024年7月27日、平川義之撮影
 一方、選手の中には、スポーツを通して友情や連帯を培う五輪の精神を体現する姿も見られた。
 柔道男子60キロ級では、永山竜樹選手がスペインの選手に絞め技で苦しめられた。審判は「待て」と告げたが、その後も攻められ、失神して一本負けを喫した。
 わだかまりを抱えていた永山選手だが、それから数日後、スペインの選手から直接謝罪を受けた。
 「オリンピックの舞台で彼と全力で戦えたことを幸せに思います。誰がなんと言おうと私たちは柔道ファミリーです」。永山選手はSNSにそう書き込み、2人が並んだ写真を添えて投稿した。
 「柔道ファミリー」という言葉が示すように、選手たちは国が違ってもスポーツの仲間という意識を持っているものだ。
 体操の男子団体では、橋本大輝選手が鉄棒の演技を成功させた後、大歓声に沸く観客席に向かって静かにするよう求めたシーンが話題になった。次に控えていた中国選手への気遣いは「これぞスポーツマンシップ」と評された。
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ボクシング女子66キロ級予選、アルジェリア代表のイマネ・ヘリフ選手(右)との試合を途中棄権したイタリアのアンジェラ・カリニ選手=AP
 ボクシング女子では、昨年の世界選手権で性別検査により失格となった選手の参加が、国際オリンピック委員会IOC)によって認められた。だが、対戦した選手は危険だと訴えて試合途中で棄権した。
 競技の安全性などを巡って国際的に物議を醸したが、棄権したイタリアの選手は「IOCが彼女の出場を認めているなら、その決定を尊重する」と潔く受け入れる姿勢を示した。
互いを認め合う大切さ
 近代オリンピックの創始者であり、IOCの終身名誉会長だったピエール・ド・クーベルタン男爵は1935年、ラジオで演説し、平和構築に五輪が果たし得る役割を説いた。他界する2年前のことである。
 「敬意を払うには、まず相手を知る必要がある」。クーベルタンは相互理解の大切さを強調した上で、「それのみが本当の平和の本当の基礎になる」という言葉を残している。
 国境や言葉の壁を超え、共通のルールでつながるのがスポーツの素晴らしさだろう。互いを認め合うフェアプレーの精神は、五輪が掲げる理念の柱である。
 世界各国から集まった競技者の白熱した戦いに人々が感動し、平和への願いが高まる。それがオリンピックムーブメント(五輪精神を広める運動)の目指す姿だ。
 世界は緊迫の度を増している。だからこそ、これからも五輪の理想を求め続け、国際社会に発信していかなければならない。

’24平和考 日中関係の将来像 互恵を安定につなげたい(2024年8月12日『毎日新聞』-「社説」
 
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中国共産党習近平総書記(国家主席)を先頭に第20期中央委員会第3回総会(3中全会)に出席する最高指導部メンバー=2024年7月、新華社AP
 世界の分断と対立が東アジアに影を落とす中、中国とどのような関係を築いていくのか。日本社会に突きつけられた問いだ。
 日中両国は46年前の8月12日、平和友好条約を締結した。紛争を平和的手段で解決し、武力や威嚇に訴えないと誓い合った。
 現状はどうだろうか。沖縄県尖閣諸島周辺では中国海警局の公船による領海侵入が相次ぐ。領空侵犯の恐れがある外国機に対する航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)は2023年度に669回あったが、うち7割を中国機が占めた。近年は偵察型無人機の活動も日本周辺で活発化している。
 中国の威圧的な対応はこれだけではない。国家機密の窃取や提供などを禁じる反スパイ法が14年に施行された後、少なくとも17人の日本人が拘束された。今も5人が帰国できないままだ。
急速に進む抑止力強化
 南シナ海台湾海峡周辺でも、中国は力による現状変更の試みを続けている。これに対し、日本は7月、南シナ海での領有権を巡って中国と対立するフィリピンとの間で安保協力を強化する「円滑化協定」に署名した。南西諸島では「台湾有事」を念頭に防衛拠点の整備を進める。
 日本は中国の行動をけん制するため、米国や周辺国との連携を強化し、抑止力を高めている。一方で、中国から見ると、日米比の連携強化や「クアッド」(日米豪印)などの枠組み整備は自国に対する包囲網に映る。
 外国勢力によって政権や領土が脅かされることを過度に警戒しており、抑止力の強化だけではかえって緊張に拍車をかけてしまう。中国との関係を安定化させるには、対話を通じて信頼醸成を図ることも求められる。
 米国は中国との対立が長期化しても、重要閣僚が相互に訪問し、首脳間の対話も維持している。
 日本の取り組みは十分ではない。国民の対中感情が悪化する中、政治家は「媚中派(びちゅうは)」のレッテルを貼られることを恐れ、関係改善の取り組みに尻込みしがちだ。
 7月には武見敬三厚生労働相自民党森山裕総務会長らが相次いで訪中した。だが、昨秋の首脳会談で再確認した戦略的互恵関係の包括的な推進に弾みがついたとは言えない。
 内閣府が1月に発表した世論調査結果によると、中国に「親しみを感じない」との回答は86・7%と過去最悪となった。それでも日中関係の発展が「重要だと思う」との回答は今も7割近い。若者が他の世代より中国に好印象を抱いている実態も明らかになった。
 東京大の川島真教授(アジア政治外交史)は「若者は学校で中国人や中国系の人々と接する機会が多く、中国のゲームや商品に親しんでいる。日本に移り住む人も増えており、今後、周囲にいるのが当たり前になるだろう。こうした変化が将来の日中関係を支えるのか注目される」と語る。
重層的な対話と交流を
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「文化交流の場として発展させたい」と意気込む単向街書店の共同代表、松本綾さん=東京・銀座で2024年8月2日、成沢健一撮影
 出入国在留管理庁によると、23年末時点の在留外国人は約341万人で、うち中国人は約82万人(前年同期比7・9%増)と4分の1近くを占めた。永住者は約33万人、技術者や研究者などの高度専門職は1万5757人で、いずれも国・地域別で最多だ。
 背景には、中国の統制強化や経済政策に失望した人々が国外に脱出する動きがある。富裕層や高学歴の人が教育環境などを考慮し、日本を選択するケースも増えているようだ。
 そうした変化を象徴するのが、昨年8月に東京・銀座にオープンした「単向街書店」だ。中国人作家の許知遠さんが北京で創設し、エリート層に人気のある独立系書店の海外1号店である。
 日本人作家の作品の中国語訳が並び、週末にはトークイベントが開催される。許さんとともに共同代表を務める松本綾さんは「中国のことを知ろうとする日本人の来店も増えている。文化交流の場として発展させたい」と意欲的だ。
 日本に移住する中国人の急増やコミュニティーの形成で摩擦が生まれる懸念はあるが、重層的な対話と交流で相互理解を深める意義は大きい。
 日中両国には急速に進む少子高齢化や気候変動といった共通の課題も多く、解決の道筋をつけることは互いの利益になる。両国の政治指導者は対立が深まらないようにリスクを管理し、関係改善を東アジアの安定につなげるべきだ。

’24平和考 戦時下の格差拡大 富の偏在を是正する時だ(2024年8月11日『毎日新聞』-「社説」)
 
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砲撃されたウクライナ・キーウの病院。やまぬ戦火が世界経済を揺さぶり続ける=2024年7月、AP
 ウクライナと中東での戦禍が世界経済を揺さぶり続けている。
 途上国や貧困層に打撃が集中する一方、戦時下でも富裕層は資産を大幅に増やしている。広がる格差から浮かび上がるのは、グローバル経済のいびつな姿である。
 「2020年以降のコロナ禍や戦争で世界人口の6割に上る48億人がより貧しくなった。対照的に超富裕層5人の資産は総額120兆円超に倍増した」。国際非政府組織(NGOオックスファムが今年1月に発表した報告書だ。
 資産規模で突出する5人は、X(ツイッター)を所有するイーロン・マスク氏や、アマゾン・コム創業者のジェフ・ベゾス氏らだ。世界経済の主役となったIT産業は一握りの米国企業が支配し、巨額の利益をほぼ独占する。
 上位1%の富裕層が保有する金融資産は世界の4割強を占める。資産は総額で400兆円以上も膨らんだという。
48億人がさらに貧しく
 最近までの米国の株高も富の集中を加速させた。
 戦時にもかかわらず株価が上昇した背景として、米国のウクライナ軍事支援の影響も指摘される。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは2月、「政府の多額の資金が米防衛産業に流れ込み、景気を押し上げている」と報じた。
 一方、戦争に伴う食料危機やインフレは貧困層を直撃した。労働者1人当たりの賃金は、物価高が響き、過去2年間でほぼ1カ月分が目減りしたと試算されている。
 日本でも格差は広がる。株高で利益を得たのは富裕層などに限られ、低賃金の非正規労働者らの生活は物価高で厳しさを増した。
 「戦争は、資本主義のひずみを深刻化させる」と指摘するのは水野和夫・元法政大教授だ。
 グローバル化した資本主義を「『中心』である先進国や米ウォール街などが『周辺』の途上国や低賃金の移民、非正規労働者などから富を吸い上げるシステム」と定義付ける。「戦争が起きると、安全地帯にいる富裕層は戦時の特需や株高の恩恵を受ける。周辺の貧困層はより窮乏化する」と語る。
 格差の拡大は、国際社会を混乱させる要因にもなる。
 国際通貨基金IMF)は7月にまとめた報告書で「富と所得の不平等は(貧困層の)健康や教育に悪影響をもたらし、経済全体の成長を損なって不平等を広げる」と懸念を示した。さらに「社会や政治を不安定化させる可能性もある」と警鐘を鳴らした。
 食料危機に襲われたアフリカや戦火が広がる中東から、欧州に流入する移民や難民が急増している。受け入れに比較的寛容だった欧州各国だが、経済的負担の増加などへの不満が強まっている。
 こうした風潮に乗じ、フランスやドイツ、オランダなどでは反移民を掲げるポピュリズム大衆迎合)政党が勢力を伸ばしている。米国でも復権を狙うトランプ前大統領が強硬な移民政策を唱える。
国際社会に「負の連鎖」
 「負の連鎖」を断ち切るには富の偏在を是正することが急務だ。
 だが世界銀行など既存の国際組織を通じた支援には限界がある。国境を越えた再分配の取り組みを強化することが必要になる。
 方策の一つとして考えられるのが富裕層への課税だ。主要20カ国・地域(G20)の財務相らが7月に開いた会議では、検討方針を盛り込んだ初の文書が採択された。
 議長国のブラジルが提案し、フランスなども賛同した。各国共通の税率を導入し、富裕層による課税逃れに対応する。税収は国内向けではなく、途上国の気候変動対策や教育などに充てるという案が検討されている。
 富裕層が多い米国は反対し、超大国が壁になっている。
 だがリーマン・ショック以降、格差是正を求める声は高まったものの、有効な対策が講じられてこなかった。気候変動などと同様にグローバルな問題に協調して取り組むのが主要国の責任である。
 経済学者のトマ・ピケティ氏はベストセラー「21世紀の資本」で20世紀に分配政策が進められるようになったのは「二度の大戦による破壊と大恐慌が引き起こした破産」がきっかけと分析した。再び広がる貧富の差を縮小するには「次の大戦を待つしかないのか」と各国の不作為を問いただした。
 戦禍で格差が拡大し、世界の分断をさらに深める恐れが高まっている。国際社会が手をこまぬいていることは許されない。