泉房穂氏 斎藤元彦兵庫県知事を巡る疑惑告発文書問題で「不信任決議…県議会の覚悟次第でこの閉塞状況は」(2024年8月5日『スポニチアネックス』)

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 兵庫県明石市の前市長・泉房穂氏(60)が5日までに自身のSNSを更新。斎藤元彦兵庫県知事を巡る疑惑告発文書問題について言及した。
 兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)が2日開かれ、職員へのパワハラ疑惑について斎藤氏を30日に証人尋問することを決めた。斎藤氏を含む計11人に出頭要求し、23日にも職員への尋問を行う。斎藤氏は決定後、記者団に「しっかり調査に対応する」と説明した。
 告発文書は元県幹部の男性が作成。斎藤氏が出張先で公用車を降り20メートル歩かされただけで職員を怒鳴り散らしたパワハラや、視察企業からの贈答品受領などの疑惑を挙げている。男性に対し、斎藤氏は当初「うそ八百」などと完全否定。県は告発を誹謗中傷と認定し、男性に懲戒処分を課した。その後、告発の一部が事実と判明し、事態を重くみた県議会が百条委員会の設置を決定した。しかし、百条委に出席予定だった男性は7月7日に死亡した。自殺とみられる。
 泉氏は、「兵庫県知事パワハラ疑惑、推薦政党や県内首長からも辞職求める声…百条委で真相解明の動き本格化へ」と題された記事を引用し、「知事に辞めてもらう方法としては、県民による『リコール』のほか、県議会による『不信任決議』がある。知事が議会の解散で抵抗したとしても、選挙後の県議会で過半数で決議をすれば、知事は失職となる。県議会の覚悟次第で、この閉塞状況は打開可能ではある・・・」とつづった。
 この問題を巡り、県政の混乱を招いたとして7月31日付で片山安孝氏が副知事を辞職。斎藤氏の肝いり政策の担当理事だった小橋浩一氏は、体調を崩して休んでおり、自ら申し出て今月1日付で総務部付の部長級に降格した。
 また、元県幹部の男性が3月に内部告発の文書を一部の報道機関や県議に送付したことについて、内部調査を行った人事当局を所管する総務部のトップだった井ノ本知明総務部長が、7月30日から病欠していることが明らかになっている。

斎藤知事問題で臨時総会 県政混乱で市長会が意見交換 酒井会長「県政停滞は間違いない」/兵庫・丹波篠山市(2024年8月5日『丹波新聞』)
 
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公務復帰と、市長会の臨時総会開催などを語る酒井市長=兵庫県丹波篠山市北新町で
 兵庫県市長会の会長を務める酒井隆明・丹波篠山市長は、職員が斎藤元彦知事らを告発した問題で県政が混乱していることを受け、7日に神戸市で臨時総会を開き、意見交換を行うことを明らかにした。各市の市長からの声を受けて開催する。
 酒井市長は、「あくまで意見交換の場。百条委員会の調査もある中で、市長会として何らかの結論を出すものにはならないと思う」としながら、「知事への要望を真摯に受け取ってもらっているか、県と市町が一緒になった取り組みができているか、などを課題と感じている首長が多い」とし、「県政は市ではできない大きなまちづくりをする大切な役割があり、それには知事の指導力が必要。今の状況では、県政が停滞していることは間違いない」と指摘した。
 また、「以前から県と市は上下関係ではなく、対等な立場でなければならないということを課題に感じていた。今回を機にきっちりとした関係をつくっていきたい」とした。
 前立腺がんの手術のため入院していた酒井市長は7月30日に退院し、同31日から公務に復帰。今後は通院で経過を見ていくと言い、「体調は極めて良好。改めて健康のありがたさを感じながら、市長としての務めをきっちり果たしていきたい」とした。