【LIVE配信中】広島 原爆投下から79年 平和記念式典(2024年8月6日『NHKニュース』)

広島に原爆が投下されて6日で79年となります。国際情勢が緊迫化し、核兵器廃絶に向けた道のりが厳しさを増す中、被爆地・広島はきょう一日、核兵器が二度と使われてはならないという思いを強い危機感を持って国内外に訴えます。

【LIVE配信中】広島原爆の日 平和記念式典

 

広島に原爆が投下されて79年となる6日、広島市平和公園には、朝早くから被爆者や遺族が訪れ、祈りをささげていました。

40代の孫とともに平和公園に来た広島市安佐北区の95歳の被爆者の女性は、「女学生のときに被爆しました。広島の街の中は皮が剥げた人が大勢いて、ひどいありさまでした。20代のころから欠かさず8月6日には平和公園を訪れていますが、来年は来られるかどうかわかりません。世の中が幸せになってくれればと願っています」と話していました。

また、20歳で被爆した母親がことし亡くなったという広島市の75歳の男性は、「これまではいたたまれない気持ちで慰霊碑に来たくなかったが、ことし母が亡くなって、来ることにしました。母は妹を原爆で亡くしているので『家族と一緒になれたね』と伝えました」と話していました。

午前8時から広島市平和公園で行われる平和記念式典には、被爆者や遺族の代表をはじめ、岸田総理大臣のほか、アメリカやイギリスなど核保有国を含む109か国の大使などが参列する予定です。

式典では、この1年に亡くなった人や死亡が確認された人、合わせて5079人の名前が書き加えられた34万4306人の原爆死没者名簿が原爆慰霊碑に納められ、原爆が投下された午前8時15分には、参列者全員で黙とうをささげて、犠牲者を追悼します。

ロシアによるウクライナ侵攻の長期化など国際情勢が緊迫化する中、世界では軍備を増強したり、核保有国の「核の傘」への依存を強めたりする動きがみられ、核兵器廃絶に向けた道のりは厳しさを増しています。

一方、被爆者たちの平均年齢は85歳を超え、平和を訴える声をこれまでと同じようにあげ続けていくことは、難しくなっているのが現状です。

原爆資料館には昨年度、国内外から198万人が訪れ過去最多を更新していて、広島への関心が高まる中、どのように被爆の実相を伝え、核兵器廃絶につなげていけるかが課題となっています。

被爆地・広島はきょう一日、犠牲者を追悼する祈りに包まれるとともに、核兵器が二度と使われてはならないという思いを強い危機感を持って国内外に訴えます。

《人々の祈りの声》

82歳の被爆者の女性「平和になることを願っている」

原爆で父と祖母を亡くした広島県廿日市市の82歳の被爆者の女性は、「自宅を出て職場に向かったあと、行方がわからなくなった父親が、私のことをずっと見守ってくれていると思いながら生きてきました。世界が平静を取り戻して平和になることを願っています」と話していました。

80歳の被爆者の男性「今の世界情勢には心が痛む」

1歳の時に広島市内で被爆した東広島市の80歳の男性は、「世界平和への思いと、原爆で亡くなった人への哀悼の気持ちを込めて祈りました。被爆から79年たった今の世界情勢には心が痛みます。わたしも年齢は重ねましたが、これからも次の世代に被爆の体験を伝えていきたいです」と話していました。

74歳の被爆2世の女性「非常に無念だったと思う」

広島県廿日市市に住む74歳の被爆2世の女性は、身元が分からない人などおよそ7万人の遺骨が納められている原爆供養塔の前で手を合わせたあと、「家族のもとに帰ることができなかったのは、非常に無念だったと思います」と話していました。

76歳の男性「先頭に立って核廃絶と平和を呼びかけることが大切」

母親や祖母が被爆した76歳の男性は、「きょうは日本が二度と戦争をしないで平和が続くようにと思って祈りに来ました。唯一の被爆国の日本だからこそ、先頭に立って核廃絶と平和を呼びかけることが大切になると思います」と話していました。

9歳の女の子「学校で式典をテレビで見たり勉強したりする」

広島市の原爆慰霊碑を家族で訪れた9歳の女の子は、「きょうは学校で、式典をテレビで見たり勉強したりします。原爆で亡くなった人たちが天国で元気でいてほしいです」と話していました。

また、弟の6歳の男の子は、「世界が平和になってほしい」と話していました。

48歳の女性「平和が何よりも大事」

埼玉県から来た48歳の大学講師の女性は、「ウクライナガザ地区だけではなく、世界中の戦争で、子どもたちがいちばん被害を受けている。平和が何よりも大事で、この先も戦争がない日本であってほしいという願いを込めて祈りました」と話していました。

64歳の女性「核兵器は絶対に使ってはならない」

原爆で祖父などの親族を亡くしたという広島県廿日市市の64歳の女性は、「原爆で亡くなった人に祈りをささげました。多くの犠牲者を出した核兵器は絶対に使ってはならないと思うし、とにかく世界が平和になってほしいです」と話していました。

67歳の男性「次の世代に悲惨なことがあったと伝えていきたい」

被爆した母親がことし亡くなった広島市の67歳の男性は、「2度と戦争しないで平和でいてほしいと思って祈りに来ました。被爆の体験を伝える人が少なくなってきていると思うので、私自身も子どもや孫など次の世代に悲惨なことがあったと伝えていきたい」と話していました。

67歳の女性「戦争のない世の中を」

原爆でおばなど3人の親族を亡くした広島市佐伯区の67歳の女性は、「3人は、骨も着ていたものも見つからず、墓の中は空っぽでかわいそうです。戦争のない世の中を望みます」と話していました。

73歳の男性「『過ちは繰返しませぬから』と思いながら祈った」

原爆で祖父を亡くしたという広島市東区の73歳の男性は、「原爆慰霊碑にある『過ちは繰返しませぬから』という文字を思いながら祈りました。どの国も核兵器を使わないことが必要で、これからも子どもや若い人たちに平和について伝え続けていきたいと思います」と話していました。

65歳の男性「みんなの人生や命が傷つけられて大変なことに」

東京から来た65歳の弁護士の男性は、「世界の指導者の中には原爆資料館に来た人もいるが、もう1度被爆地に足を運び被爆者の話に耳を傾ければ、核兵器を使ったり脅しの道具にしたりするということは絶対にあってはならないと感じると思います。被爆者が体験したことが出発点だと思うので、G7だけではなく世界の指導者に、核兵器が使われるとみんなの人生や命が傷つけられて大変なことになるということを再認識してほしいです」と話していました。

73歳の女性「犠牲になった人たちに安らかに眠ってもらいたい」

原爆でおばを亡くした広島市南区の73歳の女性は、「これまで8月6日は家族で平和公園を訪れて祈りをささげる日でしたが、私の父親もしばらく前に亡くなって、今は私1人が家族代表という気持ちで来ています。犠牲になった人たちに安らかに眠ってもらいたいと祈りました」と話していました。

55歳の女性「被爆80年の来年こそ戦争がなくなることを願う」

札幌市から来た55歳の女性は、「数十年前から毎年、この日は平和公園を訪れ、犠牲者に祈りをささげています。世界では争いが起きていますが、私には祈ることしかできません。被爆80年となる来年こそ、世界から戦争がなくなることを願っています」と話していました。

中学3年の男子生徒「式典を見て今後も伝えていく」

平和記念式典に千羽鶴を届けに来た千葉県の中学3年の男子生徒は、「全校生徒が協力して、被爆した方に向けて鶴を折りました。きょう式典を見て終わりではなくて、今後も伝えていくことを考えていきたいです」と話していました。

中学3年の男子生徒「平和を僕たちが引き継いでいきたい」

岩手県から来た中学3年の男子生徒は、「広島は原爆を落とされてひどい状況になったが、若い世代になると意識が薄れていくので、平和を僕たちが引き継いでいかないといけないという決意で祈りをささげました。被爆体験が受け継がれていくことが大事なので、自分の住む地域に広めていきたい」と話していました。

12歳の女子中学生「今も戦争で罪のない人が亡くなっている」

大阪府から来た12歳の女子中学生は、「たくさんの方がこの日に亡くなっていることがとても悲しいし、その気持ちを持って勉強したいと思います。世界各地で今も戦争がたくさんあって罪のない人が亡くなっていますが、やはり平和でみんなが笑顔で安心できる世界が一番いいと思います」と話していました。

また、一緒に来た77歳の祖母は、「こちらから教えるのではなく、自分から学びたい、知りたいと思う気持ちが、育ってくれたらと思います」と話していました。

ドイツから来た29歳男性「ここに来てとても感慨深い」

式典に参加するため家族とともにドイツから来た29歳の男性は、「ウクライナなど21世紀に戦争が起きていることがとても悲しいです。ここに来てとても感慨深いです。広島のことがメディアを通して世界にもっと伝わってくれればと思います」と話していました。

アルゼンチンから来た30歳女性「歴史と平和を学ぼうと来た」

夫とともにアルゼンチンから来た30歳の女性は、「広島の歴史と平和について学ぼうと来ました。核の脅威について人々が過去から学ばないことは理解できず、とても悲しいです。このような式典は世界の戦争がなくなることへの希望だと思います」と話していました。

イタリアから来た60歳女性「すべての国の平和を祈りたい」

式典に参加するため夫とともにイタリアから来た60歳の女性は、「世界のすべての国の平和を祈りたいと思います。核についての話になるとき、広島で起こったことを思い出します。政治家の中には核について軽く話す人もいますが、とても怖いです」と話していました。

 

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