米警護隊長官が辞任 トランプ氏銃撃事件で引責(2024年7月23日『時事通信』)

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22日、米首都ワシントンで開かれた下院公聴会で証言する大統領警護隊(シークレットサービス)のチートル長官(AFP時事)
 【ワシントン時事】米ホワイトハウスは23日、大統領警護隊(シークレットサービス)のチートル長官が辞任したと発表した。
 トランプ前大統領の暗殺未遂事件を阻止できなかったことで引責した。米国と世界に衝撃を与えた事件は、治安当局トップの辞任につながった。
 バイデン大統領は声明で「あの日に起きたことは二度と起きてはならない」と強調。「近く新たな長官を指名する」と表明した。
 トランプ氏は13日、東部ペンシルベニア州バトラーの選挙集会で演説中、銃撃を受けた。右耳を負傷したものの、間一髪で命拾いした。事件直後から警備態勢の不備を問う声が強まっていた。
 米下院監視・説明責任委員会は22日に公聴会を開き、チートル氏を追及。議員からは引責辞任の要求が相次いでいた。チートル氏は「失敗だった」と認めていた。 

「過去数十年で最も重大な失敗」…米シークレットサービス長官、トランプ氏銃撃事件の責任認める(2024年7月23日『読売新聞』)
 【ワシントン=田島大志】米大統領警護隊(シークレットサービス)のキンバリー・チートル長官は22日、共和党のトランプ前大統領が13日にペンシルベニア州で銃撃された事件を巡り、米下院監視・説明責任委員会の公聴会で証言した。「過去数十年で最も重大な失敗だった」と責任を認めた。

22日、米下院監視・説明責任委員会の公聴会で証言するチートル氏=AP
 証言で、チートル氏は「責任者として過失の全責任を負う」とも語った。共和、民主両党議員から引責辞任を求める声が上がったものの、チートル氏は「現時点で、私はシークレットサービスを率いるのに最もふさわしい人間だ」と述べ、辞任を否定した。
 
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アメリカのペンシルベニア州バトラーで銃撃された後、警護官に囲まれながら拳を上げるトランプ氏(13日)=AP
 チートル氏は、銃撃前に不審者がいるとの情報が「2~5回」、シークレットサービスに寄せられていたことを明らかにした。容疑者に狙撃を許した詳細に関する質問が相次いだが、捜査中であることを理由に明らかにしなかった。