不登校の小4児童に退学届を要求 区教委が「就学義務違反」と誤解(2024年7月17日『毎日新聞』)

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学校の教室(イメージ)=ゲッティ
 東京都目黒区の公立小学校で不登校になった男子児童が2023年、フリースクールに通うと決めた際、区教育委員会が保護者に対して退学届を提出するよう求めたことが判明した。不登校が理由の場合、フリースクールは学籍を残したまま通えるが、区教委が「就学義務違反になる」と誤った解釈をしていた。退学届を提出していたら中学校入学に支障が出た可能性もあり、区教委は不適切な対応と認め「申し訳ない」と陳謝している。
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区教委「二重学籍になる」
 男児の保護者などによると、男児は小学3年だった22年春ごろから同級生同士のトラブルに巻き込まれるようになり、暴力を振るわれることも複数回あった。泣きながら帰宅し、事情を尋ねた保護者に「黒板に『死ね』と書かれた」と明かしたこともあった。「もう学校に行きたくない」と登校を渋るようになり、登校前に涙を流し、腹痛を訴えるようになったという。
 心配した保護者がフリースクールを探し、男児は小学4年の23年5月から区外のフリースクールに通い始めた。2日目の朝、男児は「きょうは『誰に殴られるのか』と考えなくても済むんだ」と明るい表情で話したという。男児側は「学校は頼れない」と考え、暴力などをいじめとして申し立てなかった。
 当初、保護者は学校側から「フリースクールに通っても学籍は残せる」と説明を受けたというが、…