天候不良で不作となったブラジルのオレンジ農場=6月13日、AP
▲51年の発売当時はコカ・コーラと共に米文化を代表する飲料であこがれの的。その後、発祥の地から姿を消したものの日本で人気を保ってきた。それが昨年来、値上げや販売休止を余儀なくされている
▲ジュースの原料である輸入果汁の価格高騰や円安の影響だ。病害で米国の生産が落ち込み、最大の産地ブラジルも天候不順で不作。コロナ禍前の2倍以上というからまさに「オレンジショック」だ
▲米国の生産方式を学び、バヤリース発売の翌年に誕生したのが愛媛のポンジュース。昨年値上げに踏み切り、今春から「オレンジみかん」の表記を「みかんオレンジ」に変えた。輸入果汁より国産みかんの配合を増やした
▲日米農産物交渉でオレンジの輸入が自由化されて30年余り。輸入果汁に頼る構造が定着した。ブラジルなどの生産回復は見通せず、歴史的円安も続く。「オレンジジュースのない朝食は太陽のない一日と同じ」。かつて米国で使われた宣伝コピーだが、朝から気軽に飲める時代は簡単には復活しそうにない。