図書館職員、7割以上が非正規「生活できないほど低賃金」 待遇改善求め、関係団体が集会(2024年6月6日)

全国の図書館で非正規雇用の職員が増えていることを受け、日本図書館協会(日図協)など図書館関係7団体や識者らが6月5日、待遇改善をうったえる集会を東京・永田町の衆議院第2議員会館で開催した。

集会には、超党派学校図書館議員連盟の国会議員らも参加した。

日本図書館協会の統計によると、公共図書館学校図書館で働く職員のうち7割以上が非正規雇用となっている。こうした非正規雇用職員の多くが女性で、低賃金で有期雇用という劣悪な待遇を余儀なくされている。 集会では、各団体が非正規雇用の職員の現状を報告するとともに、安心して働き続けられるよう待遇改善を求めるアピールを採択した。(弁護士ドットコムニュース・猪谷千香)

●「若い人が働き続けられる仕事になっていない」

この日開催されたのは、「これでいいのか 図書館 担い手にまっとうな待遇を求める院内集会」。

各団体が実施した調査などを報告、公共図書館学校図書館の職員を取り巻く厳しい現状が浮き彫りになった。 日図協では、学校図書館職員を対象に、2023年11月から2024年1月までウェブで調査したところ、893人から回答を得た。回答者のうち、女性が9割以上を占めており、年齢も40代と50代が多かった。

8割以上の人が司書資格を持ち、教員免許を持つ人も3割いた。しかし、正規雇用は2割を切っており、回答者の6割が、配偶者など自分以外の収入源が主な世帯の収入源であると回答している。

また、この調査では、回答者から「とにかく給料が低い。生活できない。能力がある司書がいても、図書室を作る予算もなく、勤務時間も給料もパートアルバイトの扱いで」「図書館担当の先生から、司書なんかTSUTAYAの書店員だと皆思っていると言われたことがある」「交通費を支給してくれない。くらしてゆけないぐらいの低賃金も本当につらい」といった悲痛な声が寄せられた。

報告した日図協理事の高橋恵美子さんは、「若くてやる気のある人が、働き続けられる仕事になっていない。

学校図書館の司書は誰でもできる仕事だと思われがち。学校内でも理解が得られない」と問題を指摘した。

●「働く人だけでなく、その地域の住民にもしわよせ」

また、集会では当事者も自身の苦しい状況をうったえた。公共図書館で20年近く、1年契約の待遇で働いてきたという氷河期世代の女性は、最近、雇い止めにあったという。 「雇い止めの告知は突然です。私の告知は1か月前でした。年度末に告知されても、多くの図書館では募集が終わっています。このような状態で年収150万円以下の労働者に勤務評価を求めるのは、パワーハラスメントと言われても仕方ないのではないでしょうか」 「なぜ今働いている人を大事にして待遇を改善せず、雇い止めにしてサービスのレベルを下げてしまうのか。理解に苦しみます。そのしわ寄せは働いている人だけでなく、その地域の住民に及んでいます」

●待遇改善求めるアピールを採択

集会の最後には「公共図書館学校図書館に働く非正規雇用職員の待遇改善を求めるアピール」が採択された。アピールでは、書店が減少している中、本と出会え、確実な情報にアクセスできる図書館の役割はますます重要になるとした。 一方で、職員の7割以上が非正規雇用であり、「有期雇用への不安、独立して生計を立てることのできない低賃金、正規雇用職員と大きな格差がある諸手当・休暇・昇給制度等の多くの問題」を抱えており、「やりがい搾取」と指摘している。 その上で、集会を開催した団体や識者は次のように決意を表明した。 「図書館で働く職員は、本来任期の定めのない正規職員であることが望まれます。将来的に、非正規雇用職員を正規職員に置き換えていくしくみの構築をめざして、私たちは活動を続けていきます」