障害があってもひきこもってても…「ビールの力」でみんなで働こう 江戸川区が醸造所&ビアホール整備へ(2024年6月6日『東京新聞』)

 江戸川区は、ひきこもり状態や障害などのため就職が難しい区民が働ける場をつくるため、ビールの醸造やビアホール整備に乗り出す。2026年度以降に醸造所とビアホールなどの拠点を整備し、醸造や販売に携わってもらう。
キャプチャ
生ビールサーバー(本文と直接関係はありません)
 区は「水やお茶に次ぐ代表的な飲料」としてビールに注目。ビールの製造工程を分業化することで、障害の有無にかかわらず、さまざまな人に就労の機会を提供できるとしている。「おつまみも一緒に開発できる」と、商品展開の可能性も視野に入れているという。
 2024年度は、アートの力で商品価値を高めようと、東京芸大とチームを結成し、学生とともに経営モデルやブランディングについて検討する。5日に発表した6月補正予算案に137万円を計上した。25年度から相手先ブランドの生産(OEM)によるビールやノンアルコールビールを売り出す計画だ。
 区が21年度に行った「ひきこもり実態調査」では、収入や生活資金に不安を抱える当事者が6割に上った。区は「生産者(就労者)と区民(購入者)の距離を近づける」と、ビールの力に期待。斉藤猛区長は「就労の選択肢を増やしたい」と話した。(押川恵理子)

令和3年度「江戸川区ひきこもり実態調査」の結果報告書について
令和3年7月より「江戸川区からの調査のお願い」という名称でひきこもりなどに関するアンケート調査を実施し、調査結果がまとまりました。
本調査では、約10万の世帯から回答があり、7,919人のひきこもり状態の方がいることがわかりました。
本調査をもとに、新たな支援の枠組みを構築するとともに、個別のニーズに応じたきめ細かな支援を展開します。
ご自身の状況をお伝えしていただいたひきこもり状態の方、ご家族の皆様など、ご協力いただきました多くの皆様に感謝を申し上げます。
(注)厚生労働省はひきこもりの定義を「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人とほとんど交流せずに6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」としています。本調査においては、「仕事や学校等に行かず、家族以外の人との交流をほとんどしない方」としています。厚生労働省の定義から期間の要件を除いているのでご留意ください。
 
調査結果の注目点
配偶者・パートナーがいてもひきこもりになる?(関連P9、P24~25)
きっかけは1つでも、困りごとは複数に(関連P14~18、P49)
当事者と家族が求めているもの(関連P22~23、P42~43)
調査概要
調査期間
令和3年7月14日~令和4年2月28日
調査対象世帯数
180,503世帯
有効回答数
103,196件(有効回答率57.17%)
ひきこもり「あり」で回答した件数
7,604件
ひきこもり当事者の人数
7,919人
区が把握している、ひきこもり当事者の人数
9,096人(当調査7,919人+不登校1,113人+ひきこもり支援者数64人)
 
主な調査項目で最も多かった回答
調査項目 最も多かった回答
ひきこもり当事者の年齢 40代
ひきこもり当事者の性別 女
同居の家族 有り
ひきこもり状態の期間 1年~3年未満
ひきこもり状態になるきっかけ 長期に療養を要する病気にかかった(「その他」を除く)